図書館から本の紹介 11月16日
2020.11.16
Soshin Jogakko
空気の冷たさとともに、4階からの眺めも澄みわたり、遠くまで見渡せるようになりました。
校舎の窓から、富士山がくっきりと見えるようになると、いつも校歌の一節「富士の高嶺の門辺にま白く」と、富士山が模られた校章が思い浮かびます。長い間、捜真生は富士山に見守られながら学校生活を送って来たのだと改めて感じます。
『今日すべきことを精一杯!』日野原重明 ポプラ社
捜真の初代学院長 日野綾子先生が神様の元に旅立たれた年、捜真の卒業礼拝で日野原先生がお話をしてくださいました。当時、日野先生の主治医であった日野原先生は、105歳で亡くなるまでお医者さまとしての歩みを続けていらっしゃいました。
この本は、78歳の春に出版されたものですが、新書版へのあとがきには(当時105歳)聖路加国際病院の院長、ホスピスの開設、阪神·淡路大震災、サリン、東日本大震災、IT技術と医療の課題などを経験される中で、医師として長い間、先生が「核」とされてきた思いが書かれていました。
「生と死」。誰一人として逃れることのできないこの命題に、日野原先生はどのように向きあってすごされていたのでしょうか。次の世代に伝えたいもの、しっかり読み取りましょう。
看護·医療系を考えている人は勿論、そうでない方にもおすすめします。
『QОLって何だろう 医療とケアの生命倫理』小林亜津子 筑摩書房
昨日メモリアルホールで行った《進路選択のための参考図書》の中に入れればよかったと後から思いました。
「Quality of Life」生命、生活あるいは人生の質。
副題にある「生命倫理」は、難しい言葉のようですが、実は日々の生活の中で私たちがどう生きるかを意味します。
「大切なのは、ただ生きることではなく、よく生きること」と文中にありました。誠実にできるだけ妥協せずに、一日一日を大事に生きること。簡単そうでなかなか難しいかもしれません。
でも、心の中にその思いをしまっておくだけでもいいでは。
日野原先生の本とつながるところが見えてきます。