投稿者「soshin」のアーカイブ

在校生のみなさんへ 4月28日

捜真生の皆さん

学校の中庭では、捜真のシンボルの一つである藤の花が美しく咲いています。捜真生の皆さん、ご家族の皆様、いかがお過ごしでしょうか。

G Suite for Educationへの登録に、ご協力ありがとうございました。急なお願いだったにも関わらず、速やかに応じてくださり、ほとんどの方とご連絡が取れるようになりました。ありがとうございました。

既に、それぞれ学年に合わせた教科からの課題が配信されていると思います。使い方がわかりにくくて戸惑っている方もいらっしゃると思います。困ったことがあったら、そのClassroomの担当の先生に遠慮なく相談してください。私たち教員も試行錯誤しながら、皆さんの学習がサポートできる最善の方法を探していきたいと考えています。

中1と中3の皆さんには、本日、郵送でも課題などをお送りします。郵便事情にも支障が出ている地域がありますので、もし、しばらくしても届かない場合には、学校にお問い合わせください。

明日4月29日は祝日のため、学校は閉鎖していますので、ご連絡は4月30日、5月1日の午前9時から午後3時の間にお願いします。(045-491-3686)

引き続き、皆様の健康が守られますようお祈りしています。

4月28日(火)礼拝メッセージ

途上にある私たち

高3担任 ネルソン 綾

【聖書】フィリピの信徒への手紙1章6節

あなたがたの中で善い業を始められた方が、キリスト·イエスの日までに、その業を成し遂げてくださると、私は確信しています。

*******************************************

生徒の皆さん、こんにちは。皆さんは、“Hermie(ハーミー)”というイモムシの話をご存知ですか。ハーミーはとても平凡なイモムシで、彼はそのことに不満を感じています。たとえば、同じイモムシでも模様や色がついているものもいるのに、ハーミーは黄緑一色でした。

ハーミーは神様に、「なぜ僕には水玉やストライプの模様がないのですか?」と訴えます。アリがたくさんの荷物を運んでいるのを見て、「神様、なぜ僕はアリのように力持ちではないのですか?」と訴え、突然の雨でカタツムリがササッと自分の殻に入っていくのを見て、「神様、どうして僕にはあんな素敵な家がついていないのですか?」と問います。テントウムシの素敵な赤地に黒の水玉模様をほめたたえ、華麗に空へと飛び去っていく姿をうらやましそうに見つめます。そして、何とか彼らのようになれないかと様々な努力をします。でも、努力のかいも空しく何も変わりません。

ハーミーが訴える度に、神様はハーミーに同じ言葉を返します。「ハーミー、私は君のことをそのままで愛しているよ。それに、私はまだ君を完成させていないんだよ。心配しないで。」ハーミーは、その言葉を聞いたその時だけは、そうかと納得し安心するのですが、またしばらくすると他の虫たちに出会い、彼らと比べて自分の平凡さに嘆くということの繰り返しでした。

ところがある日、だんだん眠くなり、気が付けば暖かい寝袋の中にいて、そして、目を覚ますと自分は蝶になって空を舞っていた、というお話です。

ハーミーは自分が蝶になるとは知りませんでした。同じように私達も、自分がどうなっていくかは誰も知りません。皆さんなら、どんな大学に行くか、どんな仕事、どんな結婚、と知らないことばかりでしょう。将来への期待の一方で、自分の現状に様々な不平不満をこぼすことも少なくないかもしれません。また今のこのような状況下で、当然不安や恐れも覚えるかもしれません。しかし、私達はまだ完成されていないのです。私達は完成に向かっての道の途中にあるのです。

今日読んだ聖書の箇所には、「あなたがたの中で善い業を始められた方が、キリスト·イエスの日までに、その業を成し遂げてくださる」とあります。神様が、一人一人のうちで、完成に向かって働いてくださっているのだと思います。私達一人一人にとって、何が、蝶になることなのか、まだわかりません。でも、善い業を始められた方が、その善い業を必ず成し遂げてくださるということを信じて、希望を持って、今できることに前向きに取り組みながら歩いていけたらと思っています。

 

 

 

図書館だより 号外 4月27日

『色から読み解く日本画』  水戸信惠 エクスナレッジ

東京広尾の山種美術館に研究員として所属する水戸さんが、そこに所蔵されている日本画を中心に、四十数点の作品の基本色を七つ(赤·青·黄·緑·金銀·白·黒)に分けて解説をします。

40年以上前、高校生の頃、美術の時間に日本画を教えていただきました。その時に使った膠(にかわ)や色絵具を道具箱から取出してみたところ、最後に使った時と同じように使えました。

300年も前の作品が色あせず鮮やかな色を残したまま、画家が表現したい世界を伝えているということに感動します。本来ならば、本物の絵を目の前にして向き合いたいところですが、今はStay Home。本の中でその世界を感じていただきましょう。

 

『日本民藝館へいこう』坂田和實 尾久彰三 山口信博 とんぼの本

昨年の夏にふらりと立ち寄り、とても気に入った場所なので皆さんにも紹介したいと思い、本を購入しました。

ところで、普段使っているご飯茶碗の形、色はどのようなものですか?おかずをのせるお皿でお気に入りのものはありますか?

「民藝」と聞くと、地方のお土産かなと思う方も多いと思いますが、この民藝館に展示されている器や道具は、一つ一つが芸術作品と言っても過言ではありません。18世紀に造られたもの、アジアやヨーロッパから海を渡ってやってきたもの。時代や国を選ばずに、民藝品として人々に使われてきた手のぬくもりと歴史を感じることができます。

ちなみに私のご飯茶碗は薄鼠色で両手にすっぽりおさまるころんとした形、気に入っているコーヒー用のコップは持ち手が取れしまい少々不便ですが、友人と川越に出かけたときに買った思い出の品です。学校が始まったら、皆さんのお気に入りを教えてほしいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

4月27日(月)礼拝メッセージ

ひたすら走る赤の女王

中2副担任 日浦 華子

【聖書】フィリピの信徒への手紙 3章13-14節

兄弟たち、わたし自身は既に捕えたとは思っていません。なすべきことはただ一つ、後ろのものを忘れ、前のものに全身を向けつつ、神がキリスト·イエスによって上へ召して、お与えになる賞を得るために、目標を目指してひたすら走ることです。

**************************************************************************

生物は細胞という小さな単位でできています。私たちヒトは約37兆個の細胞でできていると言われています。

今回私たちを苦しめているウィルスは細胞のようなものでできていますが、細胞ではありません。ですから生物の仲間か、というと微妙な位置にあるわけです。(現にコロナウィルスに関するニュースの中で、何人かの医療関係のコメンテーターたちが「ウィルスは生物では無い」と断言していました)

ウィルスは簡単な細胞のようなものでできていますが、私たち生物の細胞に比べると100~1000分の1と、とんでもなく小さい大きさです。ですからウィルスは、私たちの細胞に簡単に入りこんでくるのです。そして私たちの細胞を破壊してしまいます。

寄生される私たちは入ってくるウィルスに対して時間をかけて防衛能力を身に付けますが、ウィルスはすぐにタイプを変えてまた私たちに襲いかかってきます。インフルエンザウィルスにA型やB型など色々なタイプがあることでもわかりますよね。

私たち生物は、ウィルスとの戦いの歴史を繰り返してきたとも言えます。

生物と変化し続けるウィルスとの関係について出されている学説があって、「RED QUEEN説」(赤の女王説)と呼ばれています。赤の女王とは、不思議の国のアリスに出てくるトランプの女王のことです。

不思議の国のアリスの続編、鏡の国のアリスでは、チェスのゲームのやりとりで、話が進められていきます。アリスが性懲りもなくまた不思議の国に迷いこんだときに、チェス盤の上で赤の女王と走り始めるシーンがあります。ますますスピードを上げて走る女王に、アリスがなんでそんなに走り続けるのかと聞くと、女王は「この国では同じ場所にいるためには走り続けなくてはいけないんだよ」と答えます。現状を維持するためには走り続けなくてはいけないというこの赤の女王のセリフが生物とウィルスとのやりとりを表しているのです。

現状を維持するためには変化し続けなくてはいけない。すなわち、変化するウィルスに対抗して私たちも変化し続けなくてはいけない。この「私たちの変化」というのは、体の中の免疫力アップなどの物理的なものもありますが、臨機応変さや忍耐などが必要なのでしょう。

現状を維持するためには私たちも変わらなくてはいけない。

現在私たちは思いもよらない局面におかれています。変化に柔軟に対応するしなやかさが求められているのだと思います。皆さんの今の輝きを曇らさないように、そしてさらなる成長のために、前向きに出来ることを見つけて進めていきましょう。

図書館だより 号外 4月24日

『世界はデザインでできている』 秋山具義 ちくまプリマー新書

 

みなさんはデザインと聞いて真っ先に何を思い浮かべますか。洋服のデザインでしょうか、インテリアのデザインでしょうか。美術系に進路を考えている人にとっては、具体的に○○デザインと方向性が決まっているかもしれません。

高校生は先生方から薦められて手に取ったことがある人が多いと思いますが、「ちくまプリマー新書」の中から今回はデザインについて書かれたものを紹介します。(さくさく読めます!)

著者の秋山さんは、江戸や明治ではなく、令和の今、世の中から求められているデザインを生み出す仕事をされています。広告業界の特徴や仕組みももちろん、モチベーションの保ち方や仕事を進める時のコツなどを紹介しています。

「嫌なことがあった時こそ外へ出る」「十年後に何をやっていたいか」「それを毎年見直す」。

今進路を選ぼうとしている皆さんに届いてほしい言葉がたくさんみつかります。

 

 

 

4月24日(金)礼拝メッセージ

信じて歩みを起こす

中学部3年学年主任 三宅 義人

 

【聖書】マルコによる福音書5章25節~36節(新約聖書70㌻)

さて、ここに十二年間も出血の止まらない女がいた。多くの医者にかかって、ひどく苦しめられ、全財産を使い果たしても何の役にも立たず、ますます悪くなるだけであった。イエスのことを聞いて、群衆の中に紛れ込み、後ろからイエスの服に触れた。「この方の服にでも触れればいやして頂ける」と思ったからである。すると、出血が全く止まって病気がいやされたことを体に感じた。イエスは、自分の内から力が出て行ったことに気づいて、群衆の中で、振り返り、「わたしの服に触れたのはだれか」と言われた。そこで、弟子たちは言った。「群衆があなたに押し迫っているのがお分かりでしょう。それなのに、『だれがわたしに触れたのか』とおっしゃるのですか。」しかし、イエスは触れた者を見つけようと、辺りを見回しておられた。女は自分の身に起こったことを知って恐ろしくなり、震えながら進み出てひれ伏し、すべてをありのままに話した。イエスは言われた。「娘よ、あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい。もうその病気にかからず。元気に暮らしなさい。」

イエスがまだ話しておられるときに、会堂長の家から人々が来て言った。「お嬢さんは亡くなりました。もう、先生を煩わすには及ばないでしょう。」イエスはその話をそばで聞いて、「恐れることはない。ただ信じなさい」と会堂長に言われた。

********************************************

 私たちの学校では、毎年11月の感謝祭礼拝で日雇い労働者、ホームレスの町である寿地区で行われている炊き出しのために野菜やお米を持ち寄り、献品しています。「数は力なり」ではありませんが、一人ひとりが持ち寄る量は少しずつであっても、全校が集まれば、ワゴン車一杯の野菜やお米が集まります。

一人ひとりが出来ることには当然限りがあります。だから時として「自分一人の力では変わらない」と諦めたり、行動することをためらってしまうということがありうると思いますし、私自身を振り返った時も、そういう諦めモード、ためらいモード、嘆きモードに陥って行動に移そうとしないということがよくあります。

今日取り上げた聖書の話は、こんな話です。ヤイロという父親の幼い娘が危篤になっていて、父親がイエスに助けを求め、イエスは父親と共に娘の所へ向かいます。大勢の人々(見物人)もイエスに付いていき、混乱していたのだろうと推測されます。そこへ12年間も出血が止まらない病気に苦しめられていた女性がやって来て、イエスの服に触れます。理由をこう説明しています。「『この方(イエス)の服にでも触れればいやしていただける』と思ったからである(28節)」と。するとたちまち女性の出血は止まり、病気が治ったことを感じたのだそうです。イエスは自分の中から力が出ていったことを感じて、「わたしの服に触れたのはだれか」と問います。そばにいた弟子たちは、「この混乱の中でわかる訳ないじゃないですか」と言います。それでもイエスは、触れた者を探すことを止めません。すると女性が恐る恐る進み出て、すべてをありのままに話しました。するとイエスは「あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい。元気に暮らしなさい(34節)」と答えます。そういうやり取りの最中に、危篤の娘が死んだという知らせが届くのです。イエスは娘の父親に、「恐れることはない、ただ信じなさい(36節)」と言います。そして最終的には危篤の娘は助かったというのが話の内容です。

大阪に寿地区と同じような日雇い労働者、ホームレスの町である釜ヶ崎という町があります。この釜ヶ崎で活動していらっしゃる本田哲郎さんという神父さんがいらっしゃいます。本田さんが、そういう日雇い労働者やホームレスの方々との関わりの視点から独自に訳した聖書が『小さくされた人々のための福音』という題で出版されています。私は、この聖書を今通っている教会の牧師先生からいただきました。その聖書では、服に触れればを、「服につかまる、つかむ」,あなたの信仰があなたを救ったを、「信頼をもってあゆみを起こしたことが、あなたを救ったのだ」,恐れることはない、ただ信じなさいを、「おそれるな、ひたすら信頼してあたりなさい」と書かれています。

「信仰=信じてあゆみを起こすこと」、「信じる=信じてあたること」というのです。今年度は前例のない形で新年度を迎えました。この一年がどのような一年間になるか今の時点では見通しが立ちません。不安と混乱の中であっても、今自分にできるあゆみを起こしていくことが私たちに求められているのだということを思わされます。みんなで一緒にがんばって、この年も信じてあたっていきたいと思っています。

4月23日(木)礼拝メッセージ

樹を育て給うのは神のみである

高三担任  石黒 明子

【聖書】コリントの信徒への手紙 一 3章6節

わたしは植え、アポロは水を注いだ。しかし、成長させてくださったのは神です。

***************************************************************************

チャペルの西側の窓から見える木の姿がとても好きです。長年、何の木だろうと気になっていましたが、今回調べなおしました。植物にくわしい用務の方の話や植物事典、インターネットの検索などを総合して考えると、エノキであると分かりました。

木偏に夏と書いてエノキ。大樹となって夏の陽射しでも木陰を作ります。エノキは古来から街道の両脇に一里塚の目印として植えられました。なるほど、チャペルの脇のエノキを実際に見ると、根を張り巡らし、幹には苔が生えています。目には楽しい木ですが、春には大量の花がら、秋には実や葉を落とし、掃除をしてくださる用務さん泣かせの木でもあるようです。

A tree that may in summer wear

A nest of robins in her hair;

Upon whose bosom snow has lain;

Who intimately lives with rain.

Poems are made by fools like me,

But only God can make a tree.

(引用「豊かなる流れ」日野綾子、TREES by Joyce Kilmer)

これは第一次世界大戦の兵士の詩の一節ですが、戦地で見た木を詠んだ作品だそうです。お母さんの誕生日が近いので詩を贈ったのですが、手紙が届いた頃にはすでに戦死していました。この詩を、捜真の初代院長でいらっしゃった日野綾子先生は大好きで、暗誦なさっていました。

捜真のいたるところに木々が植えられ、四季折々に花が咲いています。草花に囲まれて学校生活を送る、これは創立当初からの捜真の理念の一つであり、そうした環境を整えることを日野先生は大事になさってきました。休校期間ですが、いつもの春と変わらず木々の芽は萌え出し、花々が咲いています。用務の方々も丁寧に手入れをしてくれています。学校が再開したら見られることを楽しみに、自宅でのときを大切に過ごしてください。

 

図書館だより 号外 4月22日

『NAKED FASHON ファッションで世界を変える』サフィア·ミニー 

サンクチュアリ出版

 

「ピープルツリー」を知っていますか?バレンタインデーに捜真のチョコプロジェクトで販売されているチョコレートのブランドです。みなさんは、フェアトレードの製品だということを知っていますね。「ピープルツリー」が扱っている製品は食品だけではありません。手仕事と自然素材を活かした衣料品も扱っています。

サフィア·ミニーはその創設者であり、彼女の歩んできた道のりと彼女に賛同して活動する人たちの証言が紹介されています。フェアトレードは多くの人の強い思いに支えられています。その根底には、生産者に公正で平等な対価を支払うことがあります。逆の言い方をすれば、世界には公正でなく不平等な扱いをされている生産者がたくさんいるということです


皆さんが普段買っている手ごろな値段の洋服は、アジアの国の貧困による児童労働によって作られています。何故安価な洋服を簡単に手に入れることができるのか、ぜひ知ってください。知らなかったことを知ることで、自分の行動を変えることができます。将来ファッションに関わる仕事をしたいと思っている人は手に取ってみて欲しいです。

『ザ·トゥルー·コスト ファストファッション 真の代償』 2015年アメリカ

「ピープルツリー」のHPに「4月24日は何の日?」という記事とともに、紹介されていたDVDです。興味のある人はご覧ください。衝撃的です。
(このDVDを観たい方は司書教諭に声をかけてください。図書館にあります。)

 

 

 

4月22日(水)礼拝メッセージ

「私たちに与えられた時」

中2副担任 醍醐温子

【聖書】コヘレトの言葉3章1節~8節

何事にも時があり   天の下の出来事にはすべて定められた時がある。

生まれる時、死ぬ時  植える時、植えたものを抜く時

殺す時、癒す時    破壊する時、建てる時

泣く時、笑う時    嘆く時、踊る時

石を放つ時、石を集める時  抱擁の時、抱擁を遠ざける時

求める時、失う時   保つ時、放つ時

裂く時、縫う時    黙する時、語る時

愛する時、憎む時   戦いの時、平和の時。

********************************************************************************

先週、学校と皆さんとをつなぐツールの一つとしてG Suiteに登録してもらいました。私の担当する学年では、Classroomを使ってテスト配信を兼ねたアンケートをしました。その質問の一つ「学校から送られた課題の他に何かしていることはありますか?」の回答を見ると、「中1の時にできなかった問題のやり直しをしている」「毎日3キロ走っている」「お母さんと一緒にチョコレートケーキを作った」など、突然与えられたこの時間を自分で考えて上手に過ごしているんだということが分かり、私は皆さんの立派な姿勢に、ホッとしたり、頼もしく思ったりしました。

今日の聖句で語られているのは、私たちが人生の中で味わう一つ一つの時についてです。私たちの人生は、笑う時だけでも踊る時だけでもありません。泣く時も嘆きの時もあります。そして、それらは偶然に起こる「時」ではなく、全てのことを見通しておられる神様が、私たちにとって最もふさわしい時に、ふさわしい仕方で、最もふさわしい事をしてくださっている、一人ひとりにとって意味のある「時」なのです。

私は、5月に行われる予定だった岩手県陸前高田市の海岸線の松林の植樹に参加するのを楽しみにしていました。その日程は、私にとって物理的には最高のタイミングでした。これを逃したら次のチャンスはないかもと思えるほどでした。5月の陸前高田は初めてなのでそれも楽しみでした。しかし、3月末に延期が決まりました。当然の決定ですが、とても残念でした。私にとってはまたとないチャンスでも、神様の計画では「時」ではないのだと思いました。

学校に行けない、友達と会えない、部活ができない···様々な思いがあるでしょう。そればかりでなく、友達と遊びに行くとか家族旅行をするとかいういつもの長期休みとは全く異なる、外出することすらままならない時です。「行けない、会えない、できない」ではなく、今だからこそできることが必ずあるはずです。神様から与えられたこの時を、今だけ特別に与えられた時として生きる意味を見出すことのできる人になりましょう。

ところで、知っている人もいるかもしれませんが、大型豪華客船ダイヤモンド·プリンセス号の乗船手記を読んだことがあるでしょうか。その中の「横浜市の皆様へ」をぜひ読んでみてください。どんな状況におかれてもこういう気持ちを持てる人でありたいと心を打たれました。

「横浜市の皆様へ」はこちらから

5月16日(土)中学部学校説明会(オンライン説明会)のご案内

5月16日(土)の中学部第1回学校説明会はwebで行います!

捜真の歴史や教育理念のご紹介はもちろん、教員によるテーマ別の学校紹介を行います。内容については順次ホームページでお知らせします。なお、事前に予約をしていただいた方のみご覧いただける動画も用意しておりますので、ぜひご予約ください。

説明会ご予約はこちら

また、当日午前10時からは以下の通り、オンラインでの個別相談も行います。ご希望の時間帯をご予約ください。

① 10:00~10:20  ② 10:20~10:40  

③ 10:40~11:00  ④ 11:00~11:20  

⑤ 11:20~11:40  (各回3組まで)

説明会も個別相談も、予約受付期間は4月27日(月)0:00から5月14日(木)23:59までです。

皆様のご予約をお待ちしております。

 

説明会チラシはこちらから

4月21日(火) 礼拝メッセージ

HAPPY BIRTHDAY

高一副担任·生活指導委員長 森川 亮

【聖書】ヨハネによる福音書 1章1節

はじめに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。この言は、初めに神と共にあった。万物は言によって成った。成ったもので、言によらずに成ったものは何一つなかった。言の内に命があった。

********************************************

いつもと同じ日常なんてものはない。そのようなことは分かっていたけれども本当は全く理解していなかったと気がつかされたこの2ヶ月でした。2011年の東日本大震災の時にだってこのようなことを書いていたのに、時間はこうやって人の記憶を薄れさせていくのだなと思いました。

この間に娘の誕生日がありました。春休み中の誕生日なので娘はいつも「学校があるときの誕生日の人がうらやましい!」と言っておりました。捜真女学校でももちろん、生徒の誕生日の日には生徒が廊下やクラスで「Happy Birthday♪」と熱唱する姿よく見ました。ケーキを作ってくる生徒がいたり、こっそりプレゼントを用意していたり。そんな姿を横目で見ながら「思い出に残る誕生日になるんだろうな…」と思っていました。

外を見ると美しく緑が目に入ってくるし、太陽の光はもうすぐ夏が来ることを知らせてくれます。今の私たちはみんなで集まって話すことも、みんなで笑いあうことも許されません。目に見えない脅威におびえながら、我々はやはり目に見えない、人と人のつながりとか、人の優しさを心から欲しているのだなと今強く思います。何でもない毎日。電車に乗って、てくてく歩いて、急な坂を上って見えてくる十字架。それは尊い日常だったと。そんな当たり前を何よりも愛している自分に気がつきました。だからいつか日常が戻ってきたら、以前よりも暮らしを大切にしたい、人を大切にしたい、言葉を大切にしたいと強く思うのです。

この間に誕生日を迎えた皆さん。心から「おめでとう!」とお伝えしたい。そして、今は寂しいかもしれないけれど、医療従事者の方々や、深い悲しみの中にいる方々のことを覚えてください。そして今、この時に自分ができることを一歩一歩実行していってください。来年の誕生日にみんなで大きな声で「Happy Birthday♪」を歌おう。

中学部・高等学部 在校生へのお知らせ 4月21日

捜真生の皆さん

今日も一日が始まります。どのような計画を立てていらっしゃいますか。このホームページで毎日10時に礼拝メッセージを掲載していますので、その時間に合わせてぜひ祈りの時を持っていただきたいと願っています。

皆さん、G Suiteへの登録にご協力ありがとうございました。生徒の皆さんの登録は順調に進んでいます。もし、保護者の方で登録がまだという方がいらっしゃいましたら、速やかにご登録ください。

G Suite(高校生はClassiも)での配信が各学年で始まっています。Classroomも授業ごとに順次開設されています。私たち教員も慣れるまでは試行錯誤ですので、うまくいかないこともあるかもしれませんが、皆さんに規則正しく、また少しでも有意義な学びの時をもってもらえるよう工夫していきますので、皆さんも力を貸してください。

さて、昨日、中1と高三のご家庭に課題が郵送されました。しばらくたっても届かない場合には、学校にご連絡ください。学校へのご連絡は午前9時から午後3時までの間にお願いいたします。(045-491-3686)

緊急事態宣言が発出されて3週目に入ります。不自由さを感じることもたくさんありますが、自分と家族と周囲の方たちの命と健康を守るために、もう少し頑張りましょう。

一日も早く、皆さんと捜真でお会いできるようになることを、お祈りしましょう。

共練会(生徒会)執行部から中学部・高等学部在校生のみなさんへ

捜真生の皆さん

今日は冷たい雨が降っていました。いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

共練会(捜真では「生徒会」のことを共練会といいます)執行部からのメッセージが届きましたのでご覧ください。

共練会執行部からのメッセージはこちらから

図書館だより 号外 4月20日

捜真でも最近よく話題になるSDGs。その中の、目標14 海の豊かさを守ろう に関連する本を紹介します。

2016年ダボス会議「2050年までに海洋中に存在するプラスチックの量は、重量ベースで魚の量を超える」と発表されたことはご存じですか。それが現実となれば、皆さんがお母さんになって子育てをする頃には、海水浴や潮干狩りは夢のまた夢になっているでしょう。

岩波ブックレットに続いて絵本と雑誌を紹介します。

 

『ポリぶくろ、1まい、すてた』ミランダ·ポール文 エリザベス·ズーノン絵 さ·え·ら書房

ガンビアはアフリカ大陸の最小国。セネガルに囲まれ、横長の国土をガンビア川が一直線に走っています。主人公のアイサトは荷物を運ぶかごがこわれたので、代わりにビニール袋を使い始めます。しかし、やぶれたビニール袋を捨てたことで今まで気づかなかったことに気づきます。そして、アイサトはある計画を思いつきました。それは……。

巻末にあるQRコードで、アイサトと仲間との活動が動画で見ることができます。この絵本があなたの興味の扉開き、何かにつながってくれたらと願います。

 

 

『FRAU SDGs MOOK OCEAN 2019 海に願いを。』講談社MOOK

写真家、企業、イラスト、活動家、ファッション、旅、自治体、アーティスト、研究者、各国の取組、具体的なアクション、日本での取組、本の紹介、製品の紹介、活動している女性たちの座談会等、海を守るために今行われていることについて、広く広く取材されています。

写真が綺麗で、若者の活動がたくさん紹介されています。(年配の方の取組ももちろん載っています!)気になるページからめくってみたらいいですね。

私が嬉しかったのは、“海を愛する人たちの本棚。”に『センス·オブ·ワンダー』レイチェル·カーソン と 『海からの贈り物』リンドバーグ があったこと。

私たちが今一番やらなければならないのは、海に行って波の音に耳を傾け、潮の香りを胸いっぱいに吸い込んで、自然の力を感じることなのかも知れないと思える一冊です。

 

豆知識:「MOOK」とは、magazine雑誌と book書籍を合わせた本のこと。

 

礼拝メッセージ 4月20日(月)

「神さまの声に」

音楽科 河原真実

【聖書】箴言 4章20節~23節

わが子よ、わたしの言葉に耳を傾けよ。わたしの言うことに耳を向けよ。見失うことなく、心に納めて守れ。それらに到達する者にとって、それは命となり/全身を健康にする。何を守るよりも、自分の心を守れ。そこに命の源がある。

********************************************************************************

新型コロナウイルスの影響で多くのことが制限されている中、店内の席数を大幅に減らして「おひとり様カフェ」として営業を続けているお店が京都にあるそうです。

通常このお店は、昼間はカフェ、夜は小規模のクラシックコンサートを頻繁に開催し、クラシック好きの人達が多く集う場所になっていましたが、2月末頃から全国的に多くのイベントが自粛され始め、このお店でも3月に予定していた半分以上の公演が中止になりました。

そんな中でも、なんとか生の音楽を提供できないかと、実験的に、お店に入った瞬間から、公演が終わってお店を出るまで一切口を開かない「私語厳禁」のクラシックコンサートが企画されました。

 

お店のオーナーの高田さんは、

「私語はしないというある種の『積極的な参加』をそれぞれが意思表示することで感覚が研ぎ澄まされ、耳がいっそう開かれて、その空間にいる人同士のつながりを強くしてくれました。ここで『話さない』『接しない』という行為は後ろ向きなものではない。それが出来ることを証明したかった。」と語られていました。

クラシックの演奏会は、ウイルスに関わらず元々とても静かなものです。おしゃべりはもちろん、咳払いやパンフレットの紙をめくる音すら立てずに、目の前の音楽に集中する、そんな空間を意図的に作り出すことで、そこに集う人たちは共に音楽を楽しみ、音楽を愛する心やお互いを尊重する思いを共有することができるのが、生のクラシック音楽を聴く醍醐味なのかもしれません。

そのお店の話を聞いた時私は、捜真で毎日行われている礼拝も、とても良く似た空間だと思い出しました。チャペルに入ったその瞬間から神様の前でそれぞれが一人になって、自分と、神様と向き合う時間を持つ。そうやって得た思いを共有し、尊重し合うことでお互いの心が交わっていく空間。時代が変わってもそんな空間を毎日みんなで作り出している捜真生の皆さんは、無意識につながりを深めているに違いありません。

情報量が多く複雑な現代社会では、逆に単純でわかりやすいことを追ってみんなで盛り上がることを常に求めがちですが、ふと立ち止まって、自分のアンテナを立て直し、語りかけられている神様の小さな声に耳を澄ます事は、次に全力で走り出すためにとても大切なことではないでしょうか。

今私たちは「目に見えないウイルス」の影響で1つの場所に集まって礼拝することができない状況にありますが、その中でこの礼拝のページが「私語厳禁コンサート」の様に、「目に見えない神様」を感じ、コロナに負けないつながりを強める積極的な場になるよう共にお祈りしていきましょう。