4月28日(火)礼拝メッセージ
2020.4.28
Soshin Jogakko
途上にある私たち
高3担任 ネルソン 綾
【聖書】フィリピの信徒への手紙1章6節
あなたがたの中で善い業を始められた方が、キリスト·イエスの日までに、その業を成し遂げてくださると、私は確信しています。
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生徒の皆さん、こんにちは。皆さんは、“Hermie(ハーミー)”というイモムシの話をご存知ですか。ハーミーはとても平凡なイモムシで、彼はそのことに不満を感じています。たとえば、同じイモムシでも模様や色がついているものもいるのに、ハーミーは黄緑一色でした。
ハーミーは神様に、「なぜ僕には水玉やストライプの模様がないのですか?」と訴えます。アリがたくさんの荷物を運んでいるのを見て、「神様、なぜ僕はアリのように力持ちではないのですか?」と訴え、突然の雨でカタツムリがササッと自分の殻に入っていくのを見て、「神様、どうして僕にはあんな素敵な家がついていないのですか?」と問います。テントウムシの素敵な赤地に黒の水玉模様をほめたたえ、華麗に空へと飛び去っていく姿をうらやましそうに見つめます。そして、何とか彼らのようになれないかと様々な努力をします。でも、努力のかいも空しく何も変わりません。
ハーミーが訴える度に、神様はハーミーに同じ言葉を返します。「ハーミー、私は君のことをそのままで愛しているよ。それに、私はまだ君を完成させていないんだよ。心配しないで。」ハーミーは、その言葉を聞いたその時だけは、そうかと納得し安心するのですが、またしばらくすると他の虫たちに出会い、彼らと比べて自分の平凡さに嘆くということの繰り返しでした。
ところがある日、だんだん眠くなり、気が付けば暖かい寝袋の中にいて、そして、目を覚ますと自分は蝶になって空を舞っていた、というお話です。
ハーミーは自分が蝶になるとは知りませんでした。同じように私達も、自分がどうなっていくかは誰も知りません。皆さんなら、どんな大学に行くか、どんな仕事、どんな結婚、と知らないことばかりでしょう。将来への期待の一方で、自分の現状に様々な不平不満をこぼすことも少なくないかもしれません。また今のこのような状況下で、当然不安や恐れも覚えるかもしれません。しかし、私達はまだ完成されていないのです。私達は完成に向かっての道の途中にあるのです。
今日読んだ聖書の箇所には、「あなたがたの中で善い業を始められた方が、キリスト·イエスの日までに、その業を成し遂げてくださる」とあります。神様が、一人一人のうちで、完成に向かって働いてくださっているのだと思います。私達一人一人にとって、何が、蝶になることなのか、まだわかりません。でも、善い業を始められた方が、その善い業を必ず成し遂げてくださるということを信じて、希望を持って、今できることに前向きに取り組みながら歩いていけたらと思っています。