投稿者「soshin」のアーカイブ

図書館だより 号外⑤

『駒音高く』 佐川光晴 実業之日本社

私は将棋や囲碁を打ったことはありませんが、勝負の世界の張りつめた、凛とした空気が感じられる一冊です。最初は読み切れるかなと思っていましたが、七話それぞれに主人公がおり、彼らをとりまく家族模様も描かれています。

まず表紙がいい。水色と山吹色で切り取られた画面の中で、盤を挟んで駒を持つ主人公たちのまなざしが、読後「こうして対局していたんだ」とその息遣いと爽やかさを届けます。

年齢にかかわらず、一つのことに向かい合う機会ってなかなかないですね。学校や家庭だけでなく、こうした場所に身を置くことが、実は一番当たり前で大事なことだったりするのかも。

図書館で貸出できる佐川光晴さんの著書は『大きくなる日』『おれのおばさん』『おれたちの青空』『おれたちの約束』『おれたちの故郷』があります。皆さんと同世代の主人公が悩みながらも成長していく物語。四月から新しい生活が始まります。

一冊読んで、元気を出していきましょう!!!

 

神奈川大学「宇宙エレベーターSPIDERチャレンジ」に参加して

以前、ホームページでお知らせしましたように、今年度も神奈川大学主催の宇宙エレベーターSPEDERチャレンジに高二の有志(ドラえもんクラブ)で参加しました。

2月22日に今年度の成果を発表する機会があったのですが、新型コロナウィルス感染症の広がりの懸念のため、中止となりました。そのためプレゼンのスライドなどを提出して発表の代わりとし、今年度も「デザイン賞」をいただけることとなりました。機体の性能向上は、まだ道半ばですが、4月から新しい高二に引き継ぎ、続けていきます。

 

宇宙エレベーター 報告書

図書館だより 号外④

『青い鳥』重松清 新潮社

図書館の文庫本の中でも、たくさんの貸出履歴がある本です。

主人公は吃音の中学校非常勤講師。八つの短編が載っています。

その中の一つ『ハンカチ』に「ほんとうにしゃべりたいことは、しゃべらなくてはいけない。答えがほんとうに欲しいときには、やっぱり、訊かなくてはいけない。」という、村内先生の言葉があります。

皆さんの周りにもこういった場面がありませんか。あなたの思いに心を寄せる人が必ずいる。そして、あなたも誰かの思いに心を寄せてみよう。

『カッコウの卵』も心にささる一編です。

「カッコウのひなは、成鳥になったら、やっぱり卵を別の鳥の巣に産みつけて、わが子を捨ててしまう。でも、もしかしたら、羽の色が違うきょうだいの中でひとりぼっちだった寂しさを、成鳥になっても忘れないカッコウもいるかもしれない。そんなカッコウは、やがてつがいになったら、巣をつくるかもしれない。見よう見まねのみすぼらしい巣でも、そこにたいせつなものを、そっと置くだろう。卵をあたためながら、たいせつなものがそばにいるよろこびを、きっと知るだろう。」あきらめたらいけない。いつか時がくれば、きっと思いが叶うと信じよう。

今、立ちどまってしまっている人がいるならば、一緒にこの本、読んでみましょう。

 

在校生へのお知らせ⑩ 3月27日

在校生の皆さん、保護者の皆様

休校期間もひと月という、想像しなかった長さになってしまいました。皆さん、いかがお過ごしですか。

昨日、今後のことについて検討する会議を行い、それぞれのご家庭あてに以下の文書を発送いたしました。

3月30日以降の予定について

概要は以下の通りです。

① 3/30(月)~4/2(木)の登校は今週と同じ

② 4/3(金)と4/4(土)は休校(生徒は登校できません)

③ 4/6(月)中高入学式、4/7(火)始業式は内容や時間を工夫して行う

④ 4/8(水)の健康診断は延期とし、クラスや学年ごとのLHRのみ行う

⑤ 4/9(木)~4/16(木)は時差登校として、40分短縮授業を行う

  スタディーホール、LHR、部活動は行わない

⑥ 4/17(金)は中·高ともに模擬試験を行う

③~⑥の詳しい時間や内容は4月1日付け発送の文書でお知らせします。

状況は時々刻々変化しますので、上記の内容を変更しなくてはならないことも考えられます。あくまでも現時点での予定とお考え下さい。

神奈川県でも外出自粛の要請が出されました。特に、若い皆さん方がどのように行動するかが、今後の感染拡大防止に影響するとも言われています。長い自宅待機は退屈でもあり、気持ちが晴れないことも多いかもしれませんが、2020年度の学校生活が共に始められるようにするためには、私たちが自覚ある行動をすることが求められています。

なお、現在、教職員も在宅勤務をしている可能性もありますので、ご了承ください。

引き続き、健康に留意してお過ごしください。

【聖書】詩編119編105節

あなたの御言葉は、わたしの道の光

わたしの歩みを照らす灯。

昨日の教員会議の冒頭に朗読された聖句です。

 

 

3/28(土)保護者オリエンテーションについて

捜真女学校中学部新入生 保護者の皆さま

新型コロナウイルス感染予防の観点から、328日(土)に予定されております保護者オリエンテーションは集合時間帯を分け、プログラムを短縮して以下の通り行います。

328日(土)

受験番号:51~131       9:30集合

受験番号:132~219  10:15集合 

受験番号:220~328  11:00集合

※大人数で長時間集まることを避けるための措置ですので、集合時間直前にいらしてください。

※各時間帯40名程度の方にご案内しています。

また、以下の受取期間も設けましたので、各ご家庭でご判断の上、どちらかにご来校くださいますようお願い申し上げます。

330日(月)~41日(水) 9:0015:00 

なお、このお知らせは本日、出願時にご登録のメールアドレス宛とご自宅宛に速達葉書でもご案内申し上げます。内容が重複しますことをご了承ください。ご不明な点がございましたらご遠慮なくお問い合わせください。

お問い合わせ先   電話:045-491-3686    時間:8:3016:00

卒業生 伊藤礼香さんの活躍

お知らせが遅くなってしまいましたが、第69回卒業生伊藤礼香さんから大学での活動報告をいただきました。

伊藤さんは捜真在学中、バレーボール部、文化祭実行委員会、沖縄研究会と幅広い活躍をしていた卒業生です。

どうぞご覧ください。

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2月6日に青山学院大学にて「AOYAMA VISION 145周年企画 Be the Difference アートプロジェクト」の除幕式が行われました。今回私は学生代表としてプロジェクトを進めてきました。

このプロジェクトに参加するメンバーは、青山学院大学総合文化政策学部に所属する学生です。本学部では主に文化政策(アートマネジメント)を学んでいます。

私がこの学びをしたいと思ったきっかけは、捜真女学校在学中に文化祭実行委員会に所属していたことでした。様々な制約がある中で、どのようにしたらステージに出る人たちが最大限のパフォーマンスをできるか、また、観客が居心地よく楽しむことができるか。この2つを考えに考え抜いた委員会の日々でした。

さらに、私の学年で発足した沖縄研究会での活動も大きく影響しています。アメリカ軍基地問題や、唯一の地上戦の歴史がある沖縄という、堅いテーマを、どのようにしたら色んな人に考えるきっかけを持ってもらえるか。これら2つを合わせて、難しく堅苦しく感じるテーマを、多くの人に伝えたい。そしてそれは文化によって可能になると考え、この学部を志しました。

今回のプロジェクトでは「世界を、あなたをまるっと受け止めて愛したい」をテーマの元、アーティスト·香取慎吾さんに約11メートルに及ぶ壁画を描いていただきました。青山学院大学も捜真女学校と同じく、キリスト教精神に基づいたミッションスクールです。私たちが神様から受け取っている無条件の愛を、自分にも他人にも注ぐことが、世界をもっと生きやすくする、と考えました。

この絵から多くの人がパワーをもらって、踏み出すきっかけ、考えるきっかけになってほしい。それが花開くのは、今すぐでも、10年後でも、死ぬ前でもいい。皆さんにそのような一粒の種を植えられれば、と考えています。私が捜真で培ってきた日々は、この瞬間のために種撒かれたのだと実感しています。皆さんにパワーを与えるはずが、何よりわたしが香取さんの絵によって多大なパワーをもらってしまいました。

この壁画はどなたでもご覧いただけます。ぜひ足を運んでいただき、パワーを受け取り、誰かをまるっと愛していただければ幸いです。

 

壁画除幕式の様子はこちら

高等学部卒業式が行われました

春の日差しが眩しいくらいの素晴らしいお天気となった3月19日、第72回高等学部卒業式が行われました。休校期間中の卒業式なので、在校生の参列はなく、卒業生と保護者2名までと制限された中での式になりましたが、卒業式を無事に行うことができましたことを感謝致します。

捜真の卒業式と言えば、「威風堂々」に合わせてゆっくりと歩く卒業生入場、流れるようなリズムで校長から卒業生一人ひとりに手渡される卒業証書授与、そして卒業生の合唱が大きな特徴ですが、今回は合唱はなし、校歌も代表生徒の独唱となりました。

例年は、何度も練習を重ね、卒業式当日は司式者の指示や教員のサポートなしで行われる卒業式ですが、今年は直前に一度の練習だけで本番に臨みました。「本番に強い」との呼び声が高い学年ですが、まさにその通りでした。

卒業生皆さんのこれからの新しい歩みが、神様のあふれる祝福の中にありますようにいつもお祈りしています。

ご卒業おめでとうございます。

3月17日、第59回卒業式が行われました。
例年とは違う卒業式となりましたが、保護者の皆様とともに、子どもたち一人ひとりの成長を喜び、感謝できたこと、何よりも小学校生活最後の1日を学校で過ごせたことを、とても嬉しく思います。
卒業生のこれからの歩みの中にも、きっと困難なことや、想像すらしなかったことも起こるでしょう。
そうした中でも、互いに愛し合い、支え合い、隣り人のために生きる、優しくたくましい人とし、歩んでいってくれると信じています。
どうかこれからもお元気で。そしてまたいつでも、捜真小学校に帰ってきてください。お待ちしています。
ご卒業、おめでとうございます。

高三の皆さんへ 明日の卒業式について

高三生の皆さん

1月20日の全体登校日以来、登校日のないまま明日の卒業式を迎えることになりました。捜真での6年間の最後の時を、お友達や後輩たちと共に過ごすことができなかったことは本当に残念でした。しかし同時に、明日、卒業式を無事に行うことができることは大きな恵みであり感謝すべきことであるとも思います。

そこで、明日の卒業式を前に改めてご協力をお願いします。

先日3月2日付で学校からご家庭にお送りしたお手紙を再度お読みください。この卒業式が感染拡大につながってしまってはいけませんので、体調がすぐれない方のご出席はご遠慮下さい。また、登校途中の駅や公共交通機関内で大勢が集まることも避けてください。これは皆さんの健康を守ることと同時に、社会の中に感染を広めないために大変重要なことですのでご協力ください。

明日、皆さんにお会いできることを楽しみにしています。

【聖書】使徒言行録20章32節

そして今、神とその恵みの言葉とにあなたがたをゆだねます。この言葉は、あなたがたを造り上げ、聖なる者とされたすべての人々と共に恵みを受け継がせることができるのです。

在校生の皆さんへ 終業式にかえて

本日18日は終業式と中学部卒業式が予定されていましたが、行うことができませんでした。

終業式にかえて校長メッセージをお届けします。

なお、中1から高二のご家庭には、本日、レターパックプラスでお知らせを発送しております。数日たってもお手元に届かない場合には、学校にお電話でご連絡ください。なお、学校へのお電話は8:30から16:00の間にお願いいたします。

 

終業式に変えて

中学部·高等学部 校 長  中山 謙一

 

捜真生のみなさん。2019年度の終わりがこんな形になるとは思いませんでしたね。残念な気持ちの人が多いことでしょう。とりわけ残念に思うのは、この3月で捜真を去ることになる方々とお別れの挨拶が十分にできないことです。

高等学部を卒業していく146名の方々とのお別れ、捜真での教員生活にピリオドを打つ先生方とのお別れなど様々なお別れが予定されていたのに、十分に時間をとることができませんでした。去っていく方々の後ろ姿と、別れに際して残してくれた言葉は、残る者にとって意義の深いものです。私たちを励まし、勇気を与えてくれるからです。そんな大切な機会を失ってしまい本当に残念です。

でも、「別れは突然やって来る。いつお別れしてもいいように心の準備はしておかなくちゃ。」というのが東日本大震災を経験した方々の教訓です。あらためて毎日毎日を大切にしていきましょう。

学校に来なくなってからずいぶん時間がたってしまいましたが、心とからだのエネルギーをなくさないよう注意をしてください。みなさん、エネルギーをたっぷり蓄えてください。エネルギーは使うことでかえって増えていくものです。こんな時こそ自分の成長に役立つエネルギーの使い方を見つけてください。

いま世界は混乱と不安の中にありますが、聖書にあるように、「あなたが耐えられない試練を神はお与えにならない」のですから、また会う時まで元気でいてください。

 

【聖書】コリントの信徒への手紙一10章13節

あなたがたを襲った試練で、人間として耐えられないようなものはなかったはずです。神は真実な方です。あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、試練と共に、それに耐えられるよう、逃れる道をも備えていてくださいます。

 

日経ビジネスに掲載 卒業生 江副亮子さん

卒業生 江副亮子さんの活躍が3月4日、日経ビジネス「起業家は語る」のコーナーで紹介されました。江副さんは精密機器メーカー、リコーの元社員。インド派遣時代の経験が起業のきっかけであったとのこと。

様々な世界で活躍する捜真の卒業生。ぜひお読みください。

江副さん 日経ビジネス記事はこちら

 

 

図書館だより 号外その3

捜真生の皆さん

図書館からの本の紹介、第3弾です。読んでみたいと思う本がありましたか?

今日も2冊ご紹介します。

『ママは身長100㎝』伊是名夏子 ハフポストブックス

杉山先生が以前に紹介してくださった一冊。自分とは違う考えや環境の方の人が何を感じどのように暮らしているのかを、本は教えてくれます。

「性別にとらわれない子育てを目指している私が、『ママ』を使うだなんて!」「妊娠·出産·子育てを通して、初めて素直に「女性としての自分」を大事にできるようになりました。また、子どもから『ママ』と呼ばれることも好き」と言う、伊是名さんの考えだけではなく、感じたことを大切にされる生き方が本物の自由と平等につながるんだなと思えました。

 

 

『マンガでやさしくわかるモンテッソーリ教育』田中昌子 日本能率協会マネジメントセンター

中3総合“仕事!”で、保育士や幼稚園の先生を調べる生徒が毎年必ずいます。自分が卒園した保育園·幼稚園とは違う、メソッド(やり方)を調べ比較することを薦めていますが、このモンテッソーリ教育もその一つ。マリア·モンテッソーリがイタリアで設立した「子どもの家」で実践した教育法。先日、テレビの番組でも紹介されていました。「平和」な社会を実現するために、穏やかで、一人ひとりの心が一つに調和することを望んだモンテッソーリ。子どもや教育に興味のある人には一度手に取ってもらいたい本です。

 

高二 現代文B 谷崎潤一郎レビュー講評会

3学期、高二では巻末に井上章一氏の解説が掲載されている角川ソフィア文庫本をテキストとして谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』を読みました。これは複数の文章を読み解くという大学入学共通テストを意識したものです。

2月21日、全校授業参観日に併せて、谷崎潤一郎について提出された生徒のレビュー講評会を行いました。今回の提出は「任意」でしたが学年の47%が提出をし、そのうち45%はインターネットによる提出でした。授業では生徒のレビューの紹介と、提出物の規定の重要性、「任意」という言葉に対する考え方の解説も行いました。

NHKテレビで放映予定です 「中高生×未来のためのSDGsMARKET」

明日の午前11時からNHK総合テレビの番組「ひるまえほっと」で、2月11日に開催された「中高生×未来のためのSDGsMARKET」が紹介される予定です。これは「捜真SDGs実行会」と湘南学園さんの「チョコプロ」の共同企画、共同開催だったイベントです。

2月にみなとみらいにいらっしゃれなかったという皆様もぜひご覧ください。

なお、国会中継などによって延期になることもありますので、ご了承ください。

 

 

 

図書館だより 号外その2

捜真生の皆さん

新しい1週間が始まりました。お変わりありませんか。

図書館からの本の紹介、第2回目です。

“家族”ってなんだろう?それは、動物も人も同じ。次の2冊は乳児院で働く保育士が主人公の小説と、実際に特別養子縁組でパパママになった家族の記録です。“家族”人と人との関わりの一番根っこにあるものは何だろうかと、教えてくれる本です。どちらも新刊。時代は今。“人と人の関わり”という“家族”の原点を読者に届けようとしているのでしょうか。

『きっと誰かが祈ってる』山田宗樹 幻冬舎

「祈る」って、捜真生には日常の言葉ですが、その意味がかえって

薄れてしまってはいないでしょうか。

乳児院に預けられた赤ちゃんと担当する保育士たちの物語。

仕事と母性のはざまで、悩み苦闘しながらも、子どもの幸せを祈り

寄り添っていく。「祈る」ことは、言葉だけではなく、心の奥の思いの

ことなのかなと考えさせられました。

 

『ちいさな大きなたからもの 特別養子縁組からはじまる家族のカタチ』

千田真司 瀬奈じゅん 方丈社

留学から帰ってきた高校生が「養子」について書かれた本を読みたい。

と言ってきたのがきっかけで、最近目についた本を購入しています。

これもその中の一冊。俳優とダンサーという、不自由のない生活を

されていると思われるお二人が、特別養子縁組で男の子のお母さん

お父さんになるまでがつづられています。

「あのとき、この子を産むという勇気ある決断をしてくださって

ありがとうございます。あなたの勇気のおかげで私たちは、かけがえの

ない家族として息子と出会うことができました。」

簡単に言葉にできないこの一言が、ずんと胸に響きました。

図書館だより 号外その1

在校生の皆さん

長い春休みが突然やってきました。「これから1ヶ月何をしたらいいのかな?」と2月末に荷物を取りに来ていた高二がつぶやいていました。

市内の図書館や地区センターは自由に利用できないところもあるようです。年度末の蔵書点検も中止となり、図書館スタッフで約4万3千冊の本を整頓しながら、もし皆さんが、春休みに登校する機会があればと思い、これから少しずつ本の紹介をしていきます。

23日から学校に登校することができるようになったら、図書館にもぜひいらしてください。

 

『スヌーパー君がいた40日』丹由美子 山と渓谷社

9年前の3月11日。石巻で震災にあい、飼い主と一緒に避難所で暮らしたゴールデン·レトリバーのスヌーパー。突然、当たり前の日常がなくなってしまい、地震のことも津波の事も、犬のスヌーパーには理解できなかったはず。それでも飼い主の阿部さんを信頼して、寄り添い続ける。当時の避難所の様子やペットとのかかわり方が、丁寧に書かれています。

今、動物を飼っている人、自然災害の時にはどのようにペットと向き合えばいいのか、どこかで不安を持っていると思います。勿論、備えあれば憂いなしではありますが、その前に“家族”として動物と一日一日を過ごすことで、どんな時も乗り越えられると思えた一冊でした。

【聖書】ヨハネによる福音書1章1節

初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。

 

高二 数Ⅲ選択者との双方向授業が行われました

先日は物理の授業の配信をご紹介しましたが、この日は高二数学Ⅲの双方向授業をご紹介します。

休校期間が長くなる中、この日はSNSを活用して解説授業をしながら、視聴している生徒からの質問にも答えています。

生徒たちの真剣な眼差し、ご覧いただけるでしょうか。

東日本大震災を覚えて 祈祷会を行いました

3月11日14時46分に合わせて、出勤している教員24名が集まり、東日本大震災を覚えて祈祷会を持ちました。

新型コロナウイルス感染拡大防止のために、なるべく間を開けて座り、讃美歌のピアノ演奏、聖書朗読と祈祷、その後、「東日本大震災を受けて 祈りをともに」の祈りを捧げました。

 

卒業礼拝に寄せて

捜真生の皆さん

本日は高三、高二の生徒による「卒業礼拝」が予定されていた日です。

高二の皆さんは、この礼拝のために練習してきた「ラシーヌ賛歌」を歌うことができなくなって、残念に思っていらっしゃることでしょう。

共に集まって礼拝を行うことができませんでしたが、お話をして下さることになっていた塩谷直也先生が卒業生へのメッセージを送ってくださいましたので、ここに掲載します。在校生の皆さんも保護者の皆様もどうぞご覧ください。

「トンネルをぶつかりながらススメ」

青山学院大学宗教部長  塩谷直也

捜真を卒業される皆さんに、次の1文を送ります。

「あなたがたは暗いトンネルの中を通り過ぎるでしょう。」

この文の説明は省きます。なぜなら卒業後、この言葉の意味は、しみじみと了解されていくからです。みんなとふざけて笑っているこの瞬間、家路に向かう夕暮れのあの瞬間、12時を過ぎて寝るでも勉強するでもなく、無意味に呼吸だけが続く、そう、その時に。ですので、このトンネルを過ぎる時の注意点だけ申し上げます。

●出口があります。

トンネルには出口があります。出口のないトンネルは、ただの穴です。墓です。

「あなたがたを襲った試練で、人間として耐えられないようなものはなかったはずです。神は真実な方です。あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、試練と共に、それに耐えられるよう、逃れる道をも備えていてくださいます。」(Ⅰコリント 10:13) 「逃れる道」を探し出し、利用することは恥ずかしいことではありません。どこに「逃れる道」があるのか常々アンテナをはっておくことを心がけてください。人生は前進だけではありません。立ち止まる時も、退却の日も、「逃れの道」に駆け込む季節も必要なのです。

●あまり光にこだわらない。

光が一時的に見えなくても大丈夫。生きていけます。いやそれどころか闇の中でしか見えないものもあります。夜中にならないと浮かんでこない考えもあるのです。一日中昼間のような明るさであれば、逆に私たちは病んでしまいます。闇の中、手探りでぶつかりながら歩く練習をしましょう。

●「助けて!」と言える人になる。

「助けて」と言える人は自分が何に困っているのか、自分に何が足りないのか理解しています。自分を客観的に見つめることができる人です。同時にそれを言葉化して誰かに伝えられるわけですから、豊かなコミュニケーション力を持っています。その意味で「助けて」と言える人が、自立した人。大人です。逆に苦しみを一人で抱え続ける人はいまだ成長途上の人。みなさん、ぜひ、成熟した、自立した大人になってくださいね。

では、行ってらっしゃい。お元気で。

 

【聖書】 コリントの信徒への手紙Ⅱ 12章7b節~10節

それで、そのために思い上がることのないようにと、わたしの身に一つのとげが与えられました。それは、思い上がらないように、わたしを痛めつけるために、サタンから送られた使いです。この使いについて、離れ去らせてくださるように、わたしは三度主に願いました。すると主は、「わたしの恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ」と言われました。だから、キリストの力がわたしの内に宿るように、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう。

それゆえ、わたしは弱さ、侮辱、窮乏、迫害、そして行き詰まりの状態にあっても、キリストのために満足しています。なぜなら、わたしは弱いときにこそ強いからです。

 

 

塩谷直也牧師 ご紹介

青山学院大学宗教部長 法学部教授。

国際基督教大学教養学部卒、東京神学大学大学院修士課程修了。

日本基督教団中京教会、知立伝道所、梅ヶ丘教会牧師を経て現職。

ご著書

「にゃんこバイブル」(保育社)

「視点を変えて見てみれば―19歳からのキリスト教―」(日本キリスト教団出版局)他