今年は父親の会が結成されて20周年を迎え、それを記念して「校内ベンチ再生プロジェクト」が立ち上がりました。

現在、校舎内には現チャペル建設前から使用していた古い木製ベンチが数脚残っていますが、中には傷みが激しいものもあり、中島学院長は数年前より修復の道を模索していらっしゃいました。ちょうどお父様方からも「父親の会20周年記念として何かお手伝いできることはないだろうか」というお声があがったため、満を持して今回のプロジェクトが実現する運びとなりました。具体的には、旧ベンチ35脚のうち、特に傷みの激しい8脚を補強し、塗装もし直して修復するというものです。

作業は、8月2日(土)を皮切りにプール横の空きスペースにて行われました。ご参加の皆様はもちろん家具の修復は専門外ですが、幼少期に夢中になったプラモデル作りを彷彿とさせるように試行錯誤を繰り返しながら熱心に作業されている姿がとても印象的でした。家具作りに詳しいお父様の話によると、座面は外国製、側面は日本製、組み立てたのは家具職人ではなく大工さんであろうとのこと。座面のカーブは座り心地が良く、代々生徒達には思い出深いベンチとあって、ヤスリをかけるお父様方の手にも自然と力がこもります。暑い最中ではありましたが、皆さま和気あいあいとチームワーク良く作業されていました。

9 月20日(土)には島名校長と森教頭にも見学にお越しいただき、先に完成した2脚をピロティへもどしました。

10 月11日(土)には残りの6脚も完成しました。雨風にさらされ損傷の激しかったベンチが見事によみがえり、ピロティ内も見違えるほど明るくなりました。「修復が難しければ手放そう」とまで思われていたベンチの復活に、中島学院長、島名校長は大変喜ばれ、お父様方も達成感に包まれました。「物を大切に使い続ける姿勢を通して、生徒たちが何かを感じ取ってくれれば」という中島学院長の思いに寄り添い、お父様方が心を込めて修復した椅子とともに、捜真生たちはこれからも思い出を刻みながら大切に使ってくれることでしょう。

(広報委員 中2·中3·高一)
<父親の会より>
捜真女学校父親の会は、2006年に有志の父親が「中学卒業を祝う会」を企画したことをきっかけに始まりました。その後、「捜真祭」における「愛の焼き鳥プロジェクト」「御殿場自然教室清掃」「勉強会」「ロウソク再生プロジェクト」等、娘たちの学校生活を支えるために活動を広げてきました。今年は父親の会として組織されてから20周年を迎え、記念企画として「校内ベンチ再生プロジェクト」を立ち上げました。現在、父親の会参加者は6学年で約100名。有志の団体ですので、準備や企画にかける労力はもちろん、活動費も参加者の持ち寄りで運営されています。それでも父親たちには笑顔が絶えません。ここには、普段の生活では決して味わえない、娘とその学校生活に貢献しているという達成感があります。楽しそうに活動する父親の姿を見て、娘たちや家族が何かを感じてくれたら、これほど嬉しいことはありません。今後も父親の会へのご協力ご支援をよろしくお願いします。































