YWCA多磨全生園訪問
2019.8.24
Soshin Jogakko
捜真YWCAでは毎年6月と11月に多磨全生園を訪れていますが、今年は特別に8月4日にも訪問しました。約30年前から交流させていただいている秋津教会の教会員で陶芸家の高山勝介さんが昨年8月3日に亡くなられ、国立ハンセン病資料館で追悼作陶展が開かれたからです。
私たちが初めて多磨全生園を訪問したのは「らい予防法」が廃止される前でしたから、特効薬で完全に治る病気であり隔離は必要ないことが十分に知られていませんでした。差別と偏見にさらされた厳しい状況の中でキリスト教の福音にふれた方々が、いかに聖書の言葉を求めたか、特に失明した方や手指の感覚を失った方が多いので、舌で点字の聖書を読んだりテープを再生したりを繰り返し、舌から血を流すほどだったというお話が、深く心に刻まれています。
高山ご夫妻と藤田さんは、当時から秋津教会の中心メンバーで、私たちの訪問をいつも歓迎してくださいました。はじめの頃はお庭の棚でキウイを育てていらして、今のように当たり前に売っている時代ではなかったので、そのおいしさに感激しました。夏には高山家のお庭で採れたキュウリの塩もみが楽しみでした。秋津教会の聖歌隊の練習に加わったとき、初めて納得のいく讃美歌の歌い方を教えていただいた気がしたものです。
時の流れとともに神さまのもとに帰られる方が増え、聖歌隊の男性メンバーは藤田さんだけとなってしまいましたが、今年もクリスマスに向けて熱心に練習していらっしゃいました。放送礼拝で病棟に流すそうです。(写真前列中央が高山夫人、後列右端が藤田さん)
今回、中2の生徒3名と高三の保護者2名とともに訪問し、礼拝後にスイカをいただいた後、映画「あん」の舞台として使われた食堂で釜飯を食べました。この食堂は撮影後に取り壊すはずが、ファンの希望で存続することになったそうです。ハンセン病の元患者を演じた樹木希林さんが劇中で着ていた衣装なども展示されています。もちろんぜんざい等あんこのメニューも豊富。どら焼きもおみやげに買えます。
自然教室で中2の生徒たちは御殿場の神山復生病院を訪れ、中島学院長からハンセン病について学んだばかりでしたので、より理解が深まったことと思います。資料館で高山さんの追悼作陶展をはじめとする展示をじっくり見て、充実した1日を締めくくりました。
(文責 杉山)