礼拝メッセージ 5月22日(金)

2020.5.22

Soshin Jogakko

「時にかなって美しい」

中1副担任·留学委員長  森 美和子

 

こちらから讃美歌213番「みどりのまきばに」を聞くことができます

 

【聖書】箴言23章18節 確かに未来はある あなたの希望が断たれることはない。

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マンションの我が家のベランダからは小さな川が下に流れているのが見えます。コンクリートで両岸を固められた川ですが、色々な生き物が見られます。少しだけブロックがダムのようになって流れをゆるやかにしているところもあり、白や灰色のサギが来て魚を捕えたりもします。大きな鯉がたくさん泳いでいますが、名前のわからない小さな小魚たちが群れているのも見えたりします。春になるとカメが何匹か泳ぎだして、水から突き出た小さな岩の上で甲羅干しをしています。首の長い黒い鵜が見事な潜水を見せて魚を捕えています。カルガモの親子が泳いでいることもあります。冬になるとおそらく渡り鳥と思われる水鳥たちが何種類か越冬していきます。そして何よりも私がうれしかったのは、背中の青く光る小さなカワセミが時々姿を見せて、「ピーッ」という澄んだきれいな鳴き声を響かせてくれることです。引っ越してきたばかりのころ、こんなコンクリートに囲まれた川がたくさんの小さな生き物たちの世界になっているとは思いもよりませんでした。

コロナウィルス感染拡大により外出が制限されるようになって、ベランダから小さな生き物たちの世界を眺められるのは、私にとって気分がリフレッシュできる大事な時間になりました。ある風の強い日に、私はまたベランダに出て川を眺めようとしました。川の水はとても澄み、鯉が泳いでいる姿がとてもよく見えました。白いサギが一羽、魚を狙ってジッと水面を見つめていました。ポカポカしたなんとものどかな雰囲気でした。その時です。強い風がザザッと吹いて、風の動きと一緒に川の水面が大きく波立ちました。私が見ていたのどかな川面の様子は、まるでテレビの画面が乱れたかのように揺れ動き、一瞬の風だけで世界が一変してしまいました。私はがっかりしました。でも、その5秒後です。波打った水面に太陽の光線が乱反射して、キラキラキラッと川一面がそれはそれは美しく光り輝いたのです。太陽の自然な光があんなにきれいに瞬く川の様子を私は初めて見ました。川面の揺れがおさまるまでの数秒間、まるで川が星に覆われているかのようでした。最後にチカッと光ったあと、川は元の静かな様子に戻りました。でも、その10秒後には、また強い風がサーッと吹き、川の中は何も見えない状態になります。でもそれで終わることなく、最後には川はキラキラと星の輝くカーテンのようになるのです。

そのくりかえしは何度見ても美しく、あきることはありませんでした。そして、私は神様から大きな安心をいただいたような気持ちになりました。私たちの日常生活は、コロナウィルスの突然の出現により一変してしまいました。これからどうなるのか、わからないことだらけ、見えないことだらけで、不安はつきません。でも、神様は私たちに乗り越えられない試練は与えませんし、神様のなさることには必ず意味があります。神様は私たちに一番よいものを用意してくださいます。絶対に大丈夫なのだから、私たちは日々自分のなすべきこと、できることに一生懸命取り組む、これこそが一番大事なことなのだと思うことができました。たくさんの方々がそれぞれの場でこの世界の生活を守るためにできることを一生懸命してくださっているということに心から感謝しつつ、早く安心して暮らせる世界に変わることを神様に祈り続けたいと思います。

 

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