礼拝メッセージ 6月30日(火)

2020.6.30

Soshin Jogakko

「たとえ小さなものでも」

中学部教頭 島名 恭子

こちらから讃美歌284番「主の尊きみ言葉は」を聞くことができます

【聖書】ヨハネによる福音書6章7節

「ここに大麦のパン五つと魚二匹とを持っている少年がいます。けれども、こんなに大勢の人では、何の役にも立たないでしょう。」

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この間の日曜日の新聞に「どうぞのつくえ」という記事がありました。北九州市にある南小倉バプテスト教会の前にある「つくえ」が紹介された記事です。

4月最後の金曜日、この教会の牧師である谷本仰さんのところに、菓子パンや調理パンがぎっしり入っている段ボール箱がひと箱、送られてきました。新型コロナ感染拡大防止のためにすでに教会では礼拝も行われておらず、信者さんたちも集まれない時期でしたので、谷本さんはパンをどうするか困ってしまいます。パンの大半は消費期限も翌土曜日でしたので、教会の玄関先に折り畳み式テーブルを出してパンを並べ、「ご自由にお持ち帰り下さい」と貼り紙をしたのだそうです。さらに翌日曜日に友人からもらった泥付きタケノコも数本置いたそうです。

するとその夕方、まだ残っていたタケノコ2本の横に、収穫したての新タマネギが転がっていたのです。さらに机の下の段ボール箱にもどっさりのタマネギ。おまけに「掘りたてたけのこ ご自由にお持ち帰りください」と書いておいた貼り紙の「たけのこ」の上には「と、玉ねぎ」と書き添えられていたというのです。谷本さんはこのつくえを「どうぞのつくえ」と名付けて、「誰かが助かりそうなものや喜びそうなものを一つか二つ、持ってきてください。そして、欲しいものや要るものがある人は、どうぞお持ち帰りを」と呼びかけたのでした。
以来、この「どうぞのつくえ」には白玉粉やホットケーキミックスが登場したり、朝置かれていたツナ缶が夕方サバ缶に変わっていたり、マスクや洗剤など日用品が登場したり。今日まで続いているというのです。

新聞を読んだ後、南小倉バプテスト教会のFacebookを見てみると、小さな机に乗りきらないくらいの品物、日によっては机の下に箱や代が置かれ、たくさんの品物が置かれている画像を見ることができました。置かれているものは決して高価な物や珍しいものではありません。きっとほとんどの家庭に「ある時にはある」というものばかりです。でもそれがなくて困ってしまう時もあるでしょう。珍しいものでも高価なものでもたくさんのものでもない、小さなものが誰かの役に立つということがあるのです。自分にとってはそれほど価値が高いとは思えないものでも、誰かを助けることができる。この記事はそのことを伝えてくれていると思います。

今日の聖書の言葉は、イエス様が五千人に食べ物をお与えになった奇跡の中の1節です。5000人に五つのパンと二匹の魚。常識ではとうてい足りません。しかし、この言葉の後、イエス様はそのパンと魚をとって、感謝の祈りを唱えて5000人の人に分け与え、人々が満腹した、と書かれています。

私に与えられているものは五つのパンと二匹の魚よりも小さなものかもしれません。でも、そんな小さなものでもどなたかのお役に立てることができる。今日も、そんな気もちで一日を過ごしたいと思います。

 

 

 

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