礼拝メッセージ 7月28日(火)
2020.7.28
Soshin Jogakko
「キリストの香り」
音楽科 河原真実
今日は7月17日(金)中1、中2の放送礼拝でのお話をご紹介します。
こちらから讃美歌452番「正しく清くあらまし」を聞くことができます
エフェソの信徒への手紙 5章1節~2節
あなたがたは神に愛されている子供ですから、神に倣う者となりなさい。
キリストがわたしたちを愛して、御自分を香りのよい供え物、つまり、いけにえとしてわたしたちのために神に献げてくださったように、あなたがたも愛によって歩みなさい。
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先日、と言っても早くも2か月ほど経っていますが、コロナ休校中にSNSで、ニューヨーク州のクオ
モ知事の定例会見の動画が流れてきました。
その話の内容は次のようなものです。
定例会議の終盤、クオモ知事が彼の所に送られてきた一通の手紙を読み始めます。
「“親愛なるクオモ様。この国を襲った災害により、あなたが信じられないほどご多忙であることを知っているので、あなたがこの手紙を読むことはないだろうと真剣に思っています。
現在私たちは国家的危機に瀕していることは間違いありません。(中略)私は元農家で、カンザス州
北東部の田舎で妻と二人で暮らしています。妻には肺が一つしかなく、残された肺は度々問題を起こします。彼女は糖尿病も患っています。私たちは70歳を超え、正直言って私は彼女の事を心配しています。私が農業をしていた時からの残り物ですが、N95のマスクを1つ同封します。未使用です。もし可能ならこのマスクをあなたの州の医者か看護師に渡してあげてください。私は家族の為に4つ保管しておきます。これからもどうぞ頑張って下さい。 デニスとシャロンより”」
クオモ知事は続けてこう語りました。
「ここにこの人の人間性を垣間見ることが出来ます。マスクが5つある。あなたならどうしますか?
5つとも自分のためにキープする?それとも隠しておきますか?この人は、この貴重な1つのマスクをニューヨークに送った。見知らぬ医師と看護師の為に。なんて美しい話でしょう。なんて寛大な心でしょう。それは愛。そして勇気、そして寛大な気持ち。それがこの国を美しくする理由で、アメリカ人を美しくしてくれる。そしてこの寛容な精神が現在目にする酷い光景を隠してくれる。」
少し話が変わりますが、学校が再開して間もなく、私が音楽室で一人消毒作業をしている所に中学生が訪ねてきてくれました。彼女は私の顔を見るなり「席上献金」と書いてある、1600円が入っている封筒を渡してくれました。私は一瞬意味が分からずに、「え?何の献金?」と聞いてしまいました。
中1の皆さんはまだご存知ないかと思いますが、捜真女学校では里親委員会の行う里親献金の他に、
奉仕委員会が毎週クラスで献金を集めて、年度末には1年で集まった100万円を超す献金を、東北の方々への支援や貧しい国の医療活動、アジアの国々でのキリスト教活動の支援の為にお捧げしています。
本当は今年度も毎週献金を集めるはずなのですが、ご存知の通り今年はまだ実現していません。
奉仕委員会もまだ立ち上がっていないし、献金の呼びかけもしていないのになぜ?と私は不思議に思って彼女の渡してくれた献金に対して「何の献金?」と聞いたのでした。すると彼女は、「HPで礼拝を受けているのに、献金をできていなかったので」と答えてくれました。確かに、封筒に書かれた“席上献金”とは、単なる募金や支援金ではなく、礼拝で語られる神様の“み言葉”に対する感謝のしるしとして行われるものです。
彼女はもともとクラスで行われる毎週の献金は1回100円と決めていて、1か月4週間、3月から6月までの4か月分として1600円を持って来てくれたのでした。自分のお小遣いの中からその金額を出すと決めてそれを実行することがどんなに難しい事か、皆さんもわかるのではないでしょうか。
コロナ休校が始まってすぐに、高校生が皆の生活のリズムを整える為にもと、独自に毎日決まった時間にオンライン礼拝を始め、休校中のHP礼拝も、分散登校中のチャペル礼拝も、全て生徒の皆さんからの要望によって始められたものでした。
チャペルでの有志礼拝には、計画当初の予想に反して毎日たくさんの人が集い、なんとも言えない良い雰囲気の中で、皆で一緒に礼拝を守りました。
今週の水曜日の朝には、ずっと出来ていなかった生徒有志の祈祷会が再開しましたが、きっと少人数だから祈祷室で大丈夫だと先生達が思っていたら、こちらもまた予想外に人が集まり、コーリング祈祷室では密になってしまうということで、来週は千葉ホールで行うことになりました。
私は今、そんな捜真生の皆さんの姿を見ながら、よく捜真女学校の校歌を思い出します。
1.神の心現れて 清き園となりにけり まことの道問いこよと 教えの家建ちにけり
2.世に混じりて世に落ちず 世を救いの君のごと 永遠に香れ園の花 清く歩め家の子よ
3.山秀でて水清し ここ御霊の住む所 気は結びて人となり 人は国の花となる
(おりかえし)富士の高嶺の門辺に真白く 八洲の海の軒端に青みて
さながら幣(にぎて)の色や 神の宿りのしるしなるらん
1番の歌詞にあるように、神様のご計画によって多くの人の決心と働きが起こされて、創立から134年経った2020年も捜真女学校はここ中丸の丘に存在しています。
2番の歌詞の中で願われている通り、捜真生の皆さんは世に混じりながらも世に落ちず、コロナ禍にありながらも予想外に先生たちが感動するような、良い香りを放ってくれている人がいます。
私の知っている外部の方で、何人もの捜真生や卒業生のことをご存知の方が、「世の中には、頭がいいとか悪いとか、才能があるとか無いとか、人のレベルを図る尺度が色々あるけれど、捜真の子は、そういう尺度を超えて一番社会に愛される、世の中で必要とされる要素を持った人が多いよね。」と度々言ってくださる方がいます。
それはつまり、校歌の3番にあるように、捜真の先輩たちがこの社会の中で様々な形で良い香りを放ち、美しい花を咲かせている証拠ではないでしょうか。
中学部1年生、2年生の皆さん。
先を進んでいる捜真の先輩たちは、確かに美しく咲いてくれています。
皆さんはこの捜真で何を学び、何を考え、どんな人になっていくのでしょうか。
今週は九州豪雨のための緊急献金の呼びかけがされていました。今日がその最終日です。既にたくさんの献金が集まってきています。ご協力いただいた皆さん、本当にありがとうございました。
お祈りします。
天の父なる神様、神様の御名を讃美致します。今日このようにして、捜真女学校が礼拝の時間を無事に守れることを感謝いたします。今世の中では多くの方が病気や自然災害で苦しんだり、悲しい思いをしていらっしゃいます。私達一人一人は無力な者ですが、どうか私たちに人を思いやる気持ちを、人の為に動く強さを、人を愛する心をどうかお与えください。願わくは、大変な思いをしている方々に少しでも早く癒しが与えられますように。
私たちの今日一日の営みを、どうぞ共にいてお守りください。この願いばかりの小さき祈りを、捜真に集まる全ての人のお祈りと合わせて、主イエスキリストの御名によって御前にお捧げ致します。 アーメン