礼拝メッセージ 6月16日(火)

2020.6.15

Soshin Jogakko

「今日を大切にする」

事務職員  阿部美和子

こちらから讃美歌494番「我が行く道いついかに」を聞くことができます

 

【聖書】フィリピの信徒への手紙4章6節
どんなことでも、思い煩うのはやめなさい。何事につけ、感謝を込めて祈りと願いをささげ、求めているものを神に打ち明けなさい。
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2月26日から休校となり、最初はお休みを喜んだ人もいたでしょう。そして、休校の延長によりだんだんと不安になってきたと思います。

突然、「日常」が奪われた経験は、約10年前にも規模は違いますがありました。私の娘が捜真生だった頃です。運動部に所属していた娘は、高校1年生の夏に新型インフルエンザが流行、高校2年生の3月に東日本大震災を経験しています。新型インフルエンザが流行したのは夏休みの頃でしたから、その夏の合宿は中止、夏休み期間中もクラブ活動禁止の為、練習できない日々が続きました。高校2年生の3月11日、この日は期末テストの答案返却日で、その午後のクラブ活動中に地震が発生し、そのまま学校は休校。お世話になった高校3年生の卒業式には参加できず、挨拶もできないまま先輩たちは卒業してしまいました。皆さんのように3ヶ月も休校が続くということはありませんでしたが、当たり前にあると思っていたことがなくなってしまうという経験をしました。
誰が悪いわけでもないから、怒りや悔しさをどこかにぶつけることもできず、それぞれやり切れない思いを抱えながらの生活の中で、最初は不平不満を言ってふてくされて、「やる気無くした。」と言って何もせずにいましたが、クラブの仲間と連絡を取り合ううちに、だんだんと各自が今出来る事を見つけて動き出しました。(家の近くをランニンングしたり、家の中でできるストレッチをしたり、それをまた情報交換したり、競争したり。)

学校が再開され、「久しぶりに制服着たよー」と友達と会話している在校生の姿を見て、この前の卒業式を思い出しました。
2月26日から休校となり、卒業式も短時間で実施という状況でしたから、進学先に提出する卒業証明書を受け取りに来た際、「もっと制服着たかった〜。」「卒業式まで登校できないなんて思ってもみなかった。」と、例年とは少し違った会話となりました。その中でも、「受験が終わったら、3月になったら、制服をきちんと着まーす」と言っていた一人は、
「今日はスカートのウエストまくっていないです。」と笑顔でやって来て
「こんなことならもっと早くからきちんと着ればよかったー。制服を着られることが嬉しい事だって、卒業式に知りました。」と言って帰って行きました。
「学生生活が短く、あっという間に高校3年生になって、それぞれの道に進む日が来ます。学生時代は今しかありません。熱中できること、大切な仲間·友達、やってみたいこと、今できることを大切に、今を大切に過ごしてほしい。そうしないと絶対に後悔する。」と「日常」を奪われた経験をした卒業生たちが口を揃えて言っていました。

このステイホームの期間、いろいろな経験をされ、当たり前が当たり前ではない事、何気ない日常は、実は毎日特別な1日を与えられているということに気付かされた方も多いと思います。
皆さんは「日常」を急に奪われた経験があるからこそ、今日を大切にする生き方ができると思います。不安や悲しみもあると思いますが、今与えられている時を、大事にしていきましょう。そして、感謝をすることも出来るようにしたいですね。

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