礼拝メッセージ 5月26日(火)

2020.5.26

Soshin Jogakko

「種をまく人」

高二副担任  山村 杏菜

こちらから讃美歌352番「あめなる喜び」を聞くことができます

 

【聖書】マルコによる福音書4章3節~9節

「よく聞きなさい。種を蒔く人が種蒔きに出て行った。蒔いている間に、ある種は道端に落ち、鳥が来て食べてしまった。ほかの種は石だらけで土の少ない所に落ち、そこは土が浅いのですぐ芽を出した。しかし、日が昇ると焼けて、根がないために枯れてしまった。ほかの種は茨の中に落ちた。すると茨が伸びて覆いふさいだので、実を結ばなかった。また、ほかの種は良い土地に落ち、芽生え、育って実を結び、あるものは三十倍、あるものは六十倍、あるものは百倍にもなった。」そして、「聞く耳のある者は聞きなさい。」と言われた。

 

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私が聖書と出逢ったのは、みなさんよりも少し大きくなってから、大学に入ってからのことでした。私の家族にはクリスチャンはいませんでしたから、それまでの人生で聖書に触れることはほとんどありませんでした。もしかしたら中1のみなさんにも、そんな人がいるかもしれませんね。でも、こうやって聖書を手にとって、「神様の御言葉に耳を傾けることが、こんなに素晴らしいことなんだ!」と気づく時がきっと来るでしょう。今日は私が聖書を読み始めた頃に、心に残ったお話を共有したいと思います。

みなさんは、フィンセント·ファン·ゴッホの「種を蒔く人」の絵画を知っていますか?この絵を見ると、「なんだ、農夫がただ種を蒔いているだけではないか。」と思う人もいると思います。私も当時はそんな気持ちでした。しかし、ある時、牧師さんが「この絵は聖書の言葉を知っている人と知らない人とでは、見方が大きく変わるんですよ。」とお話してくださいました。

実はこの絵画は、イエス·キリストの語った『「種を蒔く人」のたとえ』というたとえ話の一つとされています。このお話の中で、「種を蒔く人は、神の言葉を蒔くのである。」(マルコ4章14節)とイエスは語っています。さらに、その「種」がその後どのような場所に蒔かれていくのか、イエスはとても詳しく伝えているのです。では、それぞれの「土地」とは一体何を表しているのでしょうか。きっとそれは、私たちの「心」の状態のことを語っているのだと思います。

ゴッホは、自分自身も聖職者を目指していた時期があり、この作品の中にはキリスト教の宗教観が込められていると言われています。また、画家のジャン=フランソワ·ミレーの影響も強く受け、この作品を描いたそうです。さて、ゴッホはどんな気持ちでこの作品を描いたのでしょう。それはゴッホ自身にしか分かりませんが、聖書のお話を知ることで、今までとは何か違った見方ができるかもしれません。

このお話を聞いてから、私はキリスト教やクリスチャンの見ている世界観に惹かれるようになりました。そして、「聖書」という不思議な本との出逢いは、後に私の人生を大きく変えてくれました。今日の私の礼拝メッセージも本当に小さな小さな「種」かもしれませんが、どうかみなさんの心に神様の言葉が届きますように、お祈りしたいと思います。

「種をまく人」

フィンセント·ファン·ゴッホ 作

クレラー=ミュラー美術館、オッテルロー

 

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