礼拝メッセージ 4月20日(月)
2020.4.20
Soshin Jogakko
「神さまの声に」
音楽科 河原真実
【聖書】箴言 4章20節~23節
わが子よ、わたしの言葉に耳を傾けよ。わたしの言うことに耳を向けよ。見失うことなく、心に納めて守れ。それらに到達する者にとって、それは命となり/全身を健康にする。何を守るよりも、自分の心を守れ。そこに命の源がある。
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新型コロナウイルスの影響で多くのことが制限されている中、店内の席数を大幅に減らして「おひとり様カフェ」として営業を続けているお店が京都にあるそうです。
通常このお店は、昼間はカフェ、夜は小規模のクラシックコンサートを頻繁に開催し、クラシック好きの人達が多く集う場所になっていましたが、2月末頃から全国的に多くのイベントが自粛され始め、このお店でも3月に予定していた半分以上の公演が中止になりました。
そんな中でも、なんとか生の音楽を提供できないかと、実験的に、お店に入った瞬間から、公演が終わってお店を出るまで一切口を開かない「私語厳禁」のクラシックコンサートが企画されました。
お店のオーナーの高田さんは、
「私語はしないというある種の『積極的な参加』をそれぞれが意思表示することで感覚が研ぎ澄まされ、耳がいっそう開かれて、その空間にいる人同士のつながりを強くしてくれました。ここで『話さない』『接しない』という行為は後ろ向きなものではない。それが出来ることを証明したかった。」と語られていました。
クラシックの演奏会は、ウイルスに関わらず元々とても静かなものです。おしゃべりはもちろん、咳払いやパンフレットの紙をめくる音すら立てずに、目の前の音楽に集中する、そんな空間を意図的に作り出すことで、そこに集う人たちは共に音楽を楽しみ、音楽を愛する心やお互いを尊重する思いを共有することができるのが、生のクラシック音楽を聴く醍醐味なのかもしれません。
そのお店の話を聞いた時私は、捜真で毎日行われている礼拝も、とても良く似た空間だと思い出しました。チャペルに入ったその瞬間から神様の前でそれぞれが一人になって、自分と、神様と向き合う時間を持つ。そうやって得た思いを共有し、尊重し合うことでお互いの心が交わっていく空間。時代が変わってもそんな空間を毎日みんなで作り出している捜真生の皆さんは、無意識につながりを深めているに違いありません。
情報量が多く複雑な現代社会では、逆に単純でわかりやすいことを追ってみんなで盛り上がることを常に求めがちですが、ふと立ち止まって、自分のアンテナを立て直し、語りかけられている神様の小さな声に耳を澄ます事は、次に全力で走り出すためにとても大切なことではないでしょうか。
今私たちは「目に見えないウイルス」の影響で1つの場所に集まって礼拝することができない状況にありますが、その中でこの礼拝のページが「私語厳禁コンサート」の様に、「目に見えない神様」を感じ、コロナに負けないつながりを強める積極的な場になるよう共にお祈りしていきましょう。