【PTA活動】捜真女学校同窓会・PTAクリスマス礼拝 2025年12月6日(土) 於 カンヴァース・メモリアル・チャペル

2025.12.24

Soshin Jogakko

空気はきりりと冷たいものの、澄んだ青空に陽ざしがやわらかく降りそそぐ穏やかな週末、捜真女学校同窓会·PTAクリスマス礼拝が開かれました。今年は300名を超える方々が来場され、喜びに満ちたひとときとなりました。

メッセージでは旧聖書科·社会科の教員でいらした魚屋義明先生が、かつてともに過ごされた初代学院長 日野綾子先生の“祈りの人“としてのお姿を思い出深く語ってくださいました。また、現在も生徒たちによって運営されている JOC(Jesus Our Companion/神は我らとともにおられる) は、もともと75年前に日野先生が設立なさったことなどについてもお話しくださいました。

その後、シャロームの会(同窓会コーラス )とコーロリディア(PTA·PTAOGコーラス )による特別賛美『君の中に主が生まれたら』が捧げられました。イエス様への感謝を込めた賛美を通して 心と声が重なり、大変美しく感動的なハーモニーでした。団員のある方は「子育てが終わって、“〇〇のママ”ではなく、一人の“わたし”としてみんなと歌えることが幸せ」と語ってくださいました。自分のために誰かと心を通わせ夢中になれる時間を持つ、そんな姿がとても印象的でした。

 

続いて、同窓会有志によるページェント(聖誕劇)『受胎告知·羊飼い·東方の博士·まぶね』が捧げられました。在学中に演劇部だった方々を中心に多くの有志が参加しており、捜真の元体育科教員であり世界的舞踏家でもあった大野一雄先生から50年以上受け継いできた無言劇です。パイプオルガンが奏でる讃美歌に合わせて体の動きだけで表現する、その伝統を大切に守りながら届けられました。「心が動くから体が動く」という大野先生の思いが、こんなにも長く受け継がれてきたことに胸が震えました。

ページェントの終盤は、来場者全員で『聖らに星すむ今宵』『ハレルヤ』を歌ってイエス様の誕生を祝福しました。互いの声を聴き合いながら幾重にも折り重なった歌声は荘厳で、チャペル内は、ここでしか味わうことのできない唯一無二の響きで満ちました。

礼拝後に、同窓会の東間千鶴子会長はこんな言葉を寄せてくださいました。「教会に行ったことのない保護者の方々も、娘を通して3~6年間キリスト教に触れることになります。特に捜真のクリスマス礼拝における受胎告知の場面は、まるでその歴史を目撃したかのように心震える瞬間であり、捜真ならではの醍醐味だと言えるでしょう。この、一年に一度の“非日常”ともいえるクリスマス礼拝がどれほど美しく尊いものか――」久しぶりに会う先生方のお元気な姿、再会を喜び合う同窓生や保護者たち。戻ってこられる喜び、帰る場所がある幸せ――人生にはいろいろなことがあるけれど、「また一年後にここで」という約束がそっと心を支えてくれることでしょう。

中島学院長からは、「樹齢120年近い“百年桜”が、いつかは何らかの対応を求められる時が来るかもしれない――」そんなお話もありました。挿し木や接ぎ木によって未来へ命をつないでいく可能性についてのお話は、大野先生のページェントにも通じるものがあるように感じられました。大野先生の踊りは、教えを受け継ぐ人々の体を通して大切な“芯”は同じ場所に灯り続け、若い世代へと渡されています。時代が移り変わることも私たちが年齢を重ねていくことも避けられないけれど、それをただ嘆くのではなく、静かに受け止めながら、その中で「どう未来へ手渡していくか」を模索していく――捜真には、そんな姿勢が息づいていると感じます。百年桜も大野先生の舞踏も、そして捜真という場所そのものも、変わりながら受け継がれ、受け継がれながらすこしずつ新しくなっていく。その営みの中に、切なさと希望がそっと同居しているように思えました。

クリスマス礼拝をお昼過ぎの時間に開催するようになったのも、時代の流れを汲んだ温かな変化だそうです。夜の外出が難しい方にも参加しやすくなり、変わっていくことの中にもまた新しいつながりと喜びが生まれていると感じました。

 

チャペル入口付近では、同窓会の『Soshinハンドメイドの会』によるバザー手作り品の販売も行われました。美しく並べられたさまざまな手仕事品がクリスマスの華やいだ雰囲気を演出してくださり、大変盛況でした。

礼拝に参加して、「いつか私たちの子どもたちも同窓生としてこの礼拝に戻ってくる日が来るのだろうか、そのとき、どんな思いが胸に浮かぶのだろうか」と思いを巡らせる一日となりました。学生時代は自分を取り巻く環境を当たり前のように享受していましたが、こうして今親になり振り返ってみると、あの日々がどれほど多くの方の思いと働きに支えられていたのかということに静かに気づかされます。 かつて十分に味わえなかった感謝という気持ちを大人になった今だからこそ受け取りなおすことができる、そんな機会を与えてくださる学校に改めて深く感謝したいと思いました。

これから過ごす捜真での日々が、子どもたちの中に豊かで確かな感謝の心を育み、未来へとやさしく受け継がれていきますように。そして、イエス様を私たちのもとに誕生させてくださった神様に、心から感謝いたします。

(広報委員 中2、中3、高二)

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