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学校法人 捜真学院

横浜市神奈川区中丸8番地 045-491-3686(学院総務)

礼拝メッセージ 7月6日(月)

2020.7.4

Soshin Jogakko

「数学は何の役に立ちますか?」

中3担任 山本有希菜

 

こちらから讃美歌66番「聖なる 聖なる」を聞くことができます

 

【聖書】コリントの信徒への手紙(一)15章58節

わたしの愛する兄弟たち、こういうわけですから、動かされないようにしっかり立ち、主の業に常に励みなさい。主に結ばれているならば自分たちの苦労が決して無駄にならないことを、あなたがたは知っているはずです。

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私が数学の教員を目指した理由の1つとして、「数学のことを好きだから」ということが挙げられます。
具体的なきっかけは、中学1年生のとき「式に文字を使う」ということを学んで、とても感動したこことでした。たとえば、「ある数に3を足して2倍し、5を引くと13になった。ある数はいくつか求めなさい。」という問題を考えるとき、「式に文字を使う」ということを知らないと、13から順に逆算していくしかありません。ですが、「式に文字を使う」ということを知っていれば、式を立てて簡単に解くことができますね(ぜひ解いてみてください!)。

そんなわけで私は数学の教員になったわけですが、「数学は何の役に立ちますか?」と生徒のみなさんからよく質問されます。そのたびに私が思い出すのは、森博嗣さんの「冷たい密室と博士たち」という小説の一節です。

犀川先生なら、どう答えられますか?」国枝桃子が無表情で尋ねた。「学生が、数学は何の役に立つのか、ときいてきたら」
「何故、役に立たなくちゃあいけないのかって、きき返す」犀川はすぐに答えた。「だいたい、役に立たないものの方が楽しいじゃないか。音楽だって、芸術だって、何の役にも立たない。最も役に立たないということが、数学が一番人間的で純粋な学問である証拠です。人間だけが役に立たないことを考えるんですからね」
「何故、役に立たなくてはいけないか、ですか……。うん、それはいい」と高校教師が呟く。
「そもそも、僕たちは何かの役に立っていますか?」犀川はおどけて言った。
                著:森博嗣「冷たい密室と博士たち」(講談社文庫、1999年出版)

「役に立たないものの方が楽しいじゃないか。」
生徒からの質問に対してどう答えてあげればいいか悩んでいた私にとって、とてもハッとさせられる台詞でした。確かに、「楽しい!」と感じるかどうかは人によって違いますが、実は「楽しいとき」とは、友達と話していて楽しく盛り上がっているときや部活動をしているとき、あるいは好きなアーティストのライブを観ているときなど、人生において本当に役に立つのかどうかは分からないときなのではないでしょうか。
「役に立たないから…」と切り捨ててしまうのではなく、その中にある「楽しさ」に気づける人になりたい、気づかせてあげられる人になりたいと私は思います。

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