礼拝メッセージ 8月28日

2020.8.28

Soshin Jogakko

「おさなごのように」      

高二担任 廣川敦子

こちらから讃美歌2編26番「小さなかごに」を聞くことができます

【聖書】マタイによる福音書18章3節
「はっきり言っておく。心を入れ替えて子供のようにならなければ、決して天の国に入ることはできない。」

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先日、朝出勤しようとした夫が、家の駐車場から私に電話をしてきました。
子どもを連れてとにかくすぐに来てというので、何事かと飛んで行きました。駐車場に着くと夫が指をさす先には、小さなクワガタが歩いていました。一緒に来た息子は大喜びで「わー、クワガタだ!ねぇ、ウチで飼ってもいいよね?」と私に言ってきました。必ず自分で世話をすることを約束して家へ連れて帰りました。

大喜びの息子は、興奮気味に話をしてきます。「クワガタって夜行性なのに、なんでこんな朝に歩いてたんだろう。しかも駐車場にいるなんて、ラッキーだったね。見て見て、木にしがみつくために足がこうなってるんだよ。」と嬉しそうです。息子に虫の知識が割と豊富にあることに少々驚きました。

しかしながら虫を触ったりするのがあまり得意ではない私にとっては、正直ラッキーとアンラッキーな気持ちが入り混じっていました。

息子は早速プラスチックの入れ物にクワガタを入れ、入れ物の周りに黒い画用紙を貼って、夜を再現しているようです。そして小さなライトを横に置きました。なんでライトを置くの、とたずねると、「これはお月さまの代わり」と言っていました。

10時に近所のホームセンターが開いたら、クワガタの飼育セットを買いに行くことになりました。まだ2時間あります。息子は気が気ではない様子で、じっとクワガタを見ては「もうすぐお布団とごはんを買ってくるから、待っててね。」と話しかけています。
クワガタ一匹でこんなにも嬉しそうにする息子の姿が、かわいいなぁと感じました。

無事に飼育セットを手に入れ、クワガタを中に入れました。すぐに土の中へもぐっていき、見えなくなってしまいました。すると息子は「夜になればきっと出てくるよ。だから今日の夜中は1時間ごとに起きてチェックしたいから、起こしてくれる?」というのです。内心うわーと思いつつも、「わかった。1時間ごとにまずは私が見て、もし出てきたらその時は必ず起こす。」と約束しました。

10時の就寝後、私は夜中の2時から1時間ごとにチェックをしました。結局初めてクワガタが姿を見せたのは朝の7時でした。息子に「クワガタ出てきたよ。」と声をかけると、とび起きて見に行きました。そして「よかったー、生きてるね。」と安心した様子でした。
その後1週間ほどたった今も、クワガタは無事に生きています。

幼い子どもは、虫など目の前の命あるものを怖がることもなく、ごく自然に愛することができます。しかし大きくなるにつれ、虫はいやなもの、怖いもの、できれば触りたくないもの、という認識にかわってゆくのです。逆に幼い頃あれほど怖かったお化けの存在は、いつのまにか怖くなくなっています。年齢に伴う感覚的な変化とは、あらためて不思議なものだと思わされます。

私の中で神様の存在とは、幼い頃は疑うことなく純粋に怖れ信じるものでした。中学生の頃にはいやなもの、となりました。でもまた高校生の頃に、やっぱり自分の中で大切で信じるものに変わりました。

私が神様を信じて生きると決めた時から、20年以上が経ちました。
時には大きな困難にぶつかることもありました。でもあとから振り返ってみたとき、結局は神様に守られている、愛されているという感覚的なものに救われているような気がします。
これからも神様を信じ、与えられる恵みに感謝して生きてゆきたいと思います。

 

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