図書館だより 5月29日(金)

2020.5.29

Soshin Jogakko

『犬は神様 DOG is GOD』山本容子 講談社

偶然にも、前回の本同様、表紙に犬が描かれています。
山本容子さんは、銅版画家でエッセイストでもあります。
銅版画を描いたことはありますか?私は捜真の高校時代に美術研究で一度だけ描いたことがあります。銅板に鉄筆で傷をつけ、さらに薬品でその傷を腐食させ、凹んだところにインクをのせて紙に摺って完成。なかなか思い通りならず、苦心した思い出があります。

山本さんの作品は銅版画にのせた薄い黄色や橙色の明るい彩色が特に印象に残ります。鉄筆でつけた線の太さ細さ、線を重ねた濃いところ、一本の繊細な線が豊かな表情をあらわしています。目を凝らすと手作業で創られた優しい世界が見えてきます。絵を描く感性は、文章を書く感性にもつながるのでしょうか。

この作品は、長年一緒に暮らしてきた犬の“ルーカス”との思い出がつまったエッセイです。犬を飼うまでは想像できなかった生きもの同志の深い関わりが、胸の奥に届いく作品でした。
昨冬に16歳で逝った我が家の柴犬を思い出しては、幸せだった日々を又期待するこの頃です。
疲れてしまった時は、近くの誰かに「ただそばにいてもらう」ことをおすすめします。

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