図書館だより 5月11日

2020.5.11

Soshin Jogakko

『食事作りに手間暇かけないドイツ人、手料理神話にこだわり続ける日本人』

今村武 ダイヤモンド社

 三学期後半、高三の生徒がヨーロッパの国々を比較した本を読みたいと言ってきました。比較と一口に言っても、政治、歴史、芸術、生活、教育、宗教、産業、文学など、たくさんの分野があります。その生徒はまだこれといったものに絞ってはいなかったようなので、何冊か本を紹介しました。その後、新刊として購入したのがこの一冊です。

コロナウイルスの対応についても各国の対応は様々です。世界中に簡単に出かけていける今、国によって多様な考え方があることを皆さんも実感しているかもしれません。特に「食」については、各国の歴史や伝統に密接に関わっていますし、日本の食卓には和洋中が当たり前のように混在としていますから、今更知らないことはないと思うかもしれません。でも、レシピや味付けの違いだけではなく、その国民性(何を大事にしているか)が「食」に与える影響を著者は紹介しています。

ドイツでは、火を使わない夕食が当たり前。その分自然の中に出かけて行って、大切な家族や友人と過ごす時間を大切にする。食材はその安全性が重要。赤ちゃんの離乳食も市販品を使う人が60%。市販品への安心感はオーガニック製品や有機農業の製品をBIO商品として厳しく認定基準しているから。

「食」に関しては、手作りが愛情だと考えられている日本と、料理にかける時間より笑顔で子供たちの話に耳を傾けることを愛情だと考えるドイツとを比較した上で、著者は新しいライフスタイルの提案をしています。シンプルな「食」の姿を見て、肩の力が抜けたように感じました。

 

 

 

 

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