図書館だより 号外⑤

2020.4.1

Soshin Jogakko

『駒音高く』 佐川光晴 実業之日本社

私は将棋や囲碁を打ったことはありませんが、勝負の世界の張りつめた、凛とした空気が感じられる一冊です。最初は読み切れるかなと思っていましたが、七話それぞれに主人公がおり、彼らをとりまく家族模様も描かれています。

まず表紙がいい。水色と山吹色で切り取られた画面の中で、盤を挟んで駒を持つ主人公たちのまなざしが、読後「こうして対局していたんだ」とその息遣いと爽やかさを届けます。

年齢にかかわらず、一つのことに向かい合う機会ってなかなかないですね。学校や家庭だけでなく、こうした場所に身を置くことが、実は一番当たり前で大事なことだったりするのかも。

図書館で貸出できる佐川光晴さんの著書は『大きくなる日』『おれのおばさん』『おれたちの青空』『おれたちの約束』『おれたちの故郷』があります。皆さんと同世代の主人公が悩みながらも成長していく物語。四月から新しい生活が始まります。

一冊読んで、元気を出していきましょう!!!

 

Back

page top