図書館だより 号外④

2020.3.31

Soshin Jogakko

『青い鳥』重松清 新潮社

図書館の文庫本の中でも、たくさんの貸出履歴がある本です。

主人公は吃音の中学校非常勤講師。八つの短編が載っています。

その中の一つ『ハンカチ』に「ほんとうにしゃべりたいことは、しゃべらなくてはいけない。答えがほんとうに欲しいときには、やっぱり、訊かなくてはいけない。」という、村内先生の言葉があります。

皆さんの周りにもこういった場面がありませんか。あなたの思いに心を寄せる人が必ずいる。そして、あなたも誰かの思いに心を寄せてみよう。

『カッコウの卵』も心にささる一編です。

「カッコウのひなは、成鳥になったら、やっぱり卵を別の鳥の巣に産みつけて、わが子を捨ててしまう。でも、もしかしたら、羽の色が違うきょうだいの中でひとりぼっちだった寂しさを、成鳥になっても忘れないカッコウもいるかもしれない。そんなカッコウは、やがてつがいになったら、巣をつくるかもしれない。見よう見まねのみすぼらしい巣でも、そこにたいせつなものを、そっと置くだろう。卵をあたためながら、たいせつなものがそばにいるよろこびを、きっと知るだろう。」あきらめたらいけない。いつか時がくれば、きっと思いが叶うと信じよう。

今、立ちどまってしまっている人がいるならば、一緒にこの本、読んでみましょう。

 

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