【PTA活動】広報委員会 捜真画廊 第三回

2023.3.3

Soshin Jogakko

捜真の校内にある絵画をご紹介する捜真画廊。今回が最終回です。

第三回

―ここまで捜真の校舎内にある美術品について興味深いお話をたくさんうかがえましたが、生徒や保護者の皆様にメッセージがありましたらお願いいたします。

横山理事長:小倉先生のお話でもう1つ、小倉先生は現在の本館校舎の外壁タイルの色についても助言されています。小倉先生は当時、「薄い藤色、目をつぶると白く見えるような色で。」と仰いまして、何回も塗り直しをしてやっと表現できた色です。また美術作品については、通りすがりではなく、ぜひじっくりご覧いただけたらと思います。保護者の皆様だけでなく生徒にも、改めてじっくり見てもらいたいと思っています。中央階段の1階から2階に上がる階段の所に、《ひとりを》という絵がありますが、前学院長の飯島節子先生が非常にお好きでした。その当時の生徒も、とても好きだったことを記憶しています。

 

小田切先生:公共の場所に飾っているものは、だんだん誰も観なくなる、あることが当たり前になっていくと思いますが、そうなるとその作品の存在が認められたということになります。捜真の生徒にとっても、校舎内の美術品が景色の一部になっているというのが一番良いことだと思いますね。

中島学院長:皆様もぜひ、作品の中で好きな1点を見つけてください。もちろん2点、3点あってもよろしいと思います。生徒は、たまに絵の場所を入れ替えると気づきますよ、「先生、この絵は前からここにありましたっけ?」と。そこで絵の説明などしながら生徒と会話をします。皆が芸術家になるわけではありませんが、こうした美術品と共に過ごすのは豊かな時間であり、そこに文化の香りが漂っているなあと思うのです。

―貴重なお話をありがとうございました。

インタビュー終了後、先生方にお話をうかがいながら校内のいくつかの作品を巡りました。その中で印象に残ったのは、昇降口の壁にある《成長》(森田綏子先生作)というレリーフです。

壁面いっぱいに、6羽の鳥と、麦の穂の束があしらわれています。中島学院長が「この6羽の鳥は、中1から高三までの6学年をあらわしているそうですよ。」と教えてくださいました。そう聞いて改めてよく見てみると2羽、3羽、1羽と分かれながらも鳥たちはみな、同じ方向に飛んでいます。その鳥たちの姿は、捜真で同じ時代を共に過ごす6学年それぞれの姿であり、鳥たちが向かう先にある、たわわに実る麦の穂の束は、きっと、将来の娘たちの姿なのかもしれないと想像し、胸が熱くなりました。一番後方から、見守るように飛んでいる1羽の鳥は頼もしくも見え、3月に捜真を卒業される高三の先輩方のようにも感じました。皆さんはどのように想像されるでしょうか。

今回のインタビューでは「捜真画廊」と題するにふさわしい、多岐にわたる貴重なお話を先生方からうかがうことができました。また取材を通して、作品のほとんどが「捜真生の豊かなこころの成長のために」と、卒業生やその作者の先生方から寄贈されているということにも、保護者として深い感謝の念が込み上げております。大変お忙しい中、このような貴重なお時間を賜りました横山理事長、中島学院長、小田切先生、本当にありがとうございました。今回うかがったお話はなるべくそのままを皆様にお伝えしたいと思いましたので、三回にわたる記事とさせていただきました。この記事をきっかけに、次回学校行事で来校された際にはぜひ立ち止まってじっくりと、作品をご覧いただけましたら幸いです。

(※保護者の皆様がご来校の際は、各行事で定められたエリアのみご通行下さいますよう、ご協力をお願い申し上げます。)

(広報委員 中1·中3)

 

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